●「続・知られざる日豪関係」(893)
「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
“東京急行”を撃滅せよ
彼が着いた時はちょうど陸軍が海兵隊と交代した時で、パッチ少将はすぐに神父が気に入った。
一二月五日クラークはタンガラレに帰ることになったので十分な食料品、ライフル、弾薬、手榴弾一箱、それにある海兵隊員が出発時にゆずってくれたアメリカ軍の制服一揃いを調達した。
アメリカ軍が着実にガダルカナルでの地歩をを固め、拡大していくにつれてゴールドリッジの監視所は重要性を失っていった。
ドン・マクファランは一〇月に監視所管理のためケン・ヘイを残して解放された。
一二月七日には、老修女のエドメイを平地へおろしても大丈夫だということになった。
彼女はルアバツの虐殺以来そこに放置されていたのである。
ヘイ自身は「死にそうに退屈だ」とぼやきならなお一カ月以上も動かなかった。