●「続・知られざる日豪関係」(895)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
  “東京急行”を撃滅せよ 


 この作戦の教訓は明白だった。
 間に合わせの手段では役に立たない。
 ムンダのように日本軍が無理なく活用できる近さの航空基地が必要だった。
 このようにして、日本軍はその関心をソロモン群島の他の島々へ移すことになる。
 彼らは食糧、資材の集積場と昼間に舟艇を隠しておく場所を必要としたので、各所に中継用の前哨基地を建設しはじめた。
 KEN局では、ヒュー・マッケンジーがこうした動きに気づき、沿岸監視所の網をさらに広げる計画をたてる。
 早くも一一月一八日、彼はゴールドリッジの金鉱からアンディ・アンドレセンを引き抜き、アメリカ軍兵士を付けてガダルカナル南方のレンネル島へ派遣した。