交通ル−ル(5)

  

 それは、お互いが“譲り合い”をするからだ。
 交通量の多い方の車を優先させるのは、言う までもない。
「われさきに、交差点を渡ってしまおう」というドライバ−を見るのは、むしろ困難だ。
 朝夕の通勤時間帯だけとは言え、交通量がきわめて多く、しかも信号機のない交差点なのに、まるで交通整理の警察官がいるかのように車はスム−ズに流れている。
 これは、正に、心と心を結ぶ“温(ぬく)もりのル−ル”があるから? だろう。
 コミュニティ−の自由を維持するには、ル−ルを守ることが先決だ。
 だが、ル−ルに厳しいばかりではない。ゆとりというか、万事にせっかちでなく、“譲り合いの精神に富んだ国民性”を感じてしまう。
 この国に住む人々のすばらしさを、改めて思い知らされた・・・。