2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(337)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「高速で飛ぶ飛行機の場合、たとえばタンクなどの小さな穴から液体が漏れても、タンク内圧力と表面の空気の流れによる霧吹きの原理で、液体は開口部でスプレー状態となり、目…

 ●「続・知られざる日豪関係」(336)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「ここまでヒントが集まったところで、私は、もう一度残された部分『豊島機の被弾から、意図的な不時着まで』を組み立ててみた。 まず、新田春雄三飛曹が、豊島機の燃料タン…

 ●「続・知られざる日豪関係」(335)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「大原氏のアドヴァイスは、かなり具体的な数字を含むものだった。 話を聞いてから、私はあらためて零戦の写真や詳細図面、それに仕様書などを並べ、調べてみた。 零戦のエン…

 ●「続・知られざる日豪関係」(334)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「零戦のエンジンは直径が一メートルもありますからねえ。 そんなことはあり得ません。 おそらくは左右いずれかに少しはそれて、前後列各七気筒あるうちの、二、三を貫通して…

 ●「続・知られざる日豪関係」(333)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「このとき搭乗員会事務局で紹介され、私の疑問にアドヴァイスを与えてくれたのは、航空振興財団で訓練課長を勤める大原亮治氏だった。 もちろんかれも元零戦パイロットで、…

 ●「続・知られざる日豪関係」(332)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「この間まだ豊島機が巡航速度で飛べる状態にあったとして、『大丈夫ナリ』の合図のすぐあとに機首をメルヴィル島へ向けていたとすれば、一六〇ノットで五分間、つまり二四・…

 ●「続・知られざる日豪関係」(331)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「零戦が高度の五倍あるいは六倍の距離を滑空できるとしても、豊島機が被弾した高度五千メートルからでは、およそ三〇キロ程度しか滑空できない。 あとの五〇キロを、豊島機…

 ●「続・知られざる日豪関係」(330)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「これらを総合してみると、ジョン・ハスレット氏のいう、『南機は高射砲弾の破片により、エンジンのカウリング前部下方から、操縦席に近い後部上方にかけて貫通されていた』…

 ●「続・知られざる日豪関係」(329)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「ファニー・ベイ、オーヴァル、マクミランズ、バーリマー、エリオット・ポイント、オイル・タンクなど、高射砲、機関銃が設置されていた地域を、地図に照らし合わせながら捜…

 ●「続・知られざる日豪関係」(328)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「小山氏の話から豊島機の被弾高度がほぼ判明したところで、私はもう一度、オーストラリア公文書『ダーウィン空襲』の、高射砲隊の報告書と照合してみた。 日本軍は、北北西…

 ●「続・知られざる日豪関係」(327)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「なにしろこちらは高速で飛んでいるので、すぐに離れて行って見えなくなりましたから。 私が目撃したときは、すでに燃料は流れてはいなかったようです。 不時着が意図的だっ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(326)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『かれは私と視線が合うと、”メシがもうない”つまりもう燃料がないという合図ををしていました。 その合図の動作ですか? かれは右手で操縦桿を握っていたので、左手で箸で…

 ●「続・知られざる日豪関係」(325)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「小山氏は、ダーウィン空襲ではその中隊長機の電信士だったために、後部上方の視角が広く、豊島機を目前に見ることができたのだ。 九七式艦攻は三座式で、前座が操縦、中間…

 ●「続・知られざる日豪関係」(324)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「一般に飛行機隊の小隊というのは、小隊長機、二番機、三番機からなり、『突撃隊形ツクレ』を指示する『ト・ツ・レ』連送発信と同時に、小隊長機を先頭にそれぞれが頂点をな…

 ●「続・知られざる日豪関係」(323)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「ダーウィン空襲で戦闘機隊の行った地上銃撃とは、この艦攻隊援護のために、高射砲陣地や離陸しようとする敵機を狙ったものである。 しかし豊島機はこの地上銃撃に入る前、…

 ●「続・知られざる日豪関係」(322)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「やはり、ダーウィンの零戦研究家ジョン・ハスレット氏のいうとおり、高射砲弾による被弾だったようである。 『御存知でしょうが、ダーウィンの飛行場というのは、半島のつ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(321)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「かれがやられたのは高射砲のためです。いいえ、空中戦なんかじゃありませんよ。 あの日は一機の敵機も上がっては来ませんでした。 だから私などは、攻撃隊が突撃隊形をつく…

 ●「続・知られざる日豪関係」(320)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「名乗り出たのは、この日和歌山市から沈没四十周年記念式典に出席するために上京していた、小山富雄氏という元海上自衛隊三等海佐だった。 小山氏は真珠湾攻撃からミッドウ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(319)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「一九八二年六月五日、東京・九段の靖国神社は、参拝に集まる遺族会、戦友会で、あちこちに人だかりができるにぎわいを見せていた。 全国各地から元飛龍乗組員や関係部隊の…

 ●「続・知られざる日豪関係」(318)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「主翼面積二一・五三平方メートル、フラップ角0度で滑空角五度三十六分、降下率四・0六メートル毎秒、たとえ小型軽量で滑空性能抜群といえども、しかしグライダーではない…

 ●「続・知られざる日豪関係」(317)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「脚、増槽タンクとも、こうして考えてみると、藤田氏のいう不時着に望ましい状態にあったことは、なんとか説明がつく。 したがって南機、または豊島機の不時着は意…

 ●「続・知られざる日豪関係」(316)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「島の上空にさしかかる前から、または島にさしかかってから、南は滑空中に増槽タンクを落とそうとして、切り離しレバーを引いた。しかし錆がひどく落ちなかった…

 ●「続・知られざる日豪関係」(315)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「だがはっきりしているのは、一キロメートルも離れていないブッシュの中であり、海上では落とされてはいないということだ。 さらに、その地点から回収され、現在航空史研究…

 ●「続・知られざる日豪関係」(314)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「それに両翼の骨材もあまり歪んでいない。 ということは、藤田氏がいうように、脚は出ておらず、ブッシュ地帯での不時着には望ましい状態だったのではないだろうか。 フラッ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(313)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「しかし残念ながらダーウィンの零戦は、すでにはるか以前に引込式車輪も、引込脚覆いも取りはずされていたらしいし、また覆いのヒンジがあった部分も損傷が激しく、脚が出て…

 ●「続・知られざる日豪関係」(312)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「たしか高度三千メートルくらいです。 高度三千メートルからなら、二〇キロメートル、高度の約六倍は滑空できますね』 不時着に関するかなり具体的なヒントを得て、私は豊…

 ●「続・知られざる日豪関係」(311)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「艦上戦闘機の場合、長い航海期間中潮風にさらされ、増槽タンクの切り離しレバーがさびついてしまうんですね。 それで落とせなくなってしまうわけです。 空中戦に入る前にも…

 ●「続・知られざる日豪関係」(310)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「たとえばフラップにしても、小さなレバーひとつで操作でき、もちろんすべて油圧モーターで作動しているのがセスナである。 安全に手軽に飛行できることを目的とした小型機…

 ●「続・知られざる日豪関係」(309)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「フラップはどうでしたか。降りていましたか。 不時着の場合も必要とあらば、フラップは降ろします。 ただ不時着のための滑空のときに、敵機に追撃され、やむを得ずフラップ…