2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(674)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 八月七日の朝までにメイスンは再びマラビタ丘で活動を再開していた。 一一時三〇分頃、彼は飛行機の近づく低い音を耳にした。 つづいて二七機の双発爆撃機…

 ●「続・知られざる日豪関係」(673)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き それは何かの大計画のために彼らが待機させられたことを暗示していた。 同時に、日本の無線傍受を混乱させるためフェルトはメイスンに新しいコールサイン…

 ●「続・知られざる日豪関係」(672)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き それに飛行士たちはよろこんで物資投下に飛んでくれたが、こういう仕事には未経験だったため、最初の投下物資は目標から七〇マイルも外れた。 メイスンは…

 ●「続・知られざる日豪関係」(671)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き そこからはショートランド諸島の日本海軍泊地を監視できるし、スロットを上下する艦船のほとんどをカバーすることができた。 マラビタ丘はブインから五、…

 ●「続・知られざる日豪関係」(670)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 一週間後に隊員たちはマッキーの本部と合流するため北へ向ったが、四人のうちの一人で”やせっぽち”のサパー・オットンが足を痛めて舞い戻ることになった。…

 ●「続・知られざる日豪関係」(669)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ブカ島に日本軍が上陸したのち、この部隊はマッキー大尉の指揮でブーゲンビル島の奥地を小偵察隊として活動していたのである。 最初のころはとくに事件は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(668)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き メイスンはほかにも沿岸監視員の仕事をするのにぴったりの才能に恵まれていた。 通信機の修理と操作のエキスパートだったからである。 また彼はブーゲンビ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(667)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ブーゲンビル島の南岸に近くマラビタ丘という急な斜面を登った地点で、白シャツに白ズボン姿の中年の男が、丸い眼鏡をかけて頭上を通り過ぎていく飛行機の…

 ●「続・知られざる日豪関係」(666)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き だが、彼らはすぐに立ち直って反撃を試みた。 ニューギニアを爆撃する予定で準備中の海軍航空隊が、目標を変えてガダルカナル沖の連合軍艦船攻撃に向う。 …

 ●「続・知られざる日豪関係」(665)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き この地域の日本軍戦闘員の大多数はツラギと近隣の小島にいたのである。 洞穴や待避壕に追いこまれて、彼らは最後の一人まで戦った。 だがガダルカナル島の…

 ●「続・知られざる日豪関係」(664)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 「すばらしい日だった!」と彼はこの日の日記にペンを走らせ、「戦闘用放送によると、ツラギが占領され、一二〇五海兵隊がガブツ島に上陸したという。やっ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(663)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き スタキキの谷間にいるマクファランは、こうした情景を見るわけにはいかなかったが、砲声を聞き、艦載機の波を見ると、すぐにそれが何を意味するかを理解し…

 ●「続・知られざる日豪関係」(662)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き パットとケレメンデも小屋からとび出して来て、三人が興奮しながら眺め入った。 さらに閃光がつづき、あたりが明るくなってくると、彼らはツルギとルンガ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(661)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き せっかく来たのにと失望した二人は、フィジー人のケレメンデの小屋に行き、ベッドに入った。 ジャックは八月七日金曜日の夜明けごろに目を覚まして、それ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(660)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き クレメンズはマタンガの方が、より効果的に仕事ができるだろうと思ってブチコロから移ってきたのだった。 だが今はどこにいようと大して違わないように思…

 ●「続・知られざる日豪関係」(659)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 飛行場の囲りには縦横に道路が走り基地守備に当る四〇〇人の陸戦隊兵舎と通じていた。 ささやかな祝賀会を開いてもよい時だった。 八月六日の夕方、門前は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(658)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 「外国の海岸に敵前上陸するのは、いつも最困難な作戦の一つであった。 今では殆んど不可能な作戦となっている」 そのころガダルカナル島では日本海軍の門…

 ●「続・知られざる日豪関係」(657)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 八月六日の夕方、フレッチャーの空母サラトガ、エンタープライズ、ワスプは、ガダルカナル南方の援護位置につくため、護衛艦とともに船団から分離した。 …

 ●「続・知られざる日豪関係」(656)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 二八日から三一日にかけて、侵攻部隊はフィジー群島のコロ島という小さな島で予行演習をしたが、何もかもちぐはぐでうまく運ばなかった。 ヴァンデグリフ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(655)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼はその島がどこにあるかさえ知らなかったのである。 七月二二日、海兵隊はニュージーランドのウエリントンを出港したが、必要な作戦準備は手をつけたば…

 ●「続・知られざる日豪関係」(654)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き つづいて監視員の報告と航空偵察で日本軍がすでにアメリカ側が計画していたルンガ平地で飛行場建設を開始している事実を確認した。 かくて日米双方から貪…

 ●「続・知られざる日豪関係」(653)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 七月までにキングの作戦部長ケリー・ターナー海軍少将はツラギとガダルカナル北岸の飛行場(またはその用地)を同時に占領する計画を提出した。 キングと…

 ●「続・知られざる日豪関係」(652)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き マーシャルの作戦部長、ドワイト・アイゼンハワー准将は、やむを得ない場合はオーストラリアを孤立無援にしても仕方がないと考えていたようだ。 「馬鹿げ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(651)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き それはちょうどサンゴ海をガダルカナルに向って北進している連合艦隊にとってもっとも必要な情報だった。 この大艦隊は、日本軍の飛行場建設によって生じ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(650)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き その中の二人が徴発されて日本軍の飛行場で働いていたが、連合軍の爆撃の合い間に逃げて来たので、ケレメンデはすぐ、この二人をスタキキのもとへ走らせた…

 ●「続・知られざる日豪関係」(649)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 八月四日にはアウキから火のつくような要求が送られて来た。 「日本軍駐屯部隊の数、兵種、位置、砲の配置、形式、口径について、信頼できる追加情報を直…

 ●「続・知られざる日豪関係」(648)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き その結果、酋長たちはとりあえず決定を延期した・・・・・ しかしこの島で何人のペリッセが頑張ってくれるか分からなかった。 八月三日ドン・マクファラ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(647)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き たとえばタシンボコ村の住民は今や公然たる日本軍支持派で、ヴィサレのまわりの入植者もそうなりそうだった。 ヒラボに近い洞窟で、ローズは付近の酋長た…

 ●「続・知られざる日豪関係」(646)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き そのようすから彼らは待ち続けた瞬間が近づいていると推測したが、もう待てないほど事態は悪化していた。 マクファランは、今では芋とパウパウというメロ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(645)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼は正しかった。 まもなくそれはゼロ式水上機が運搬台の上に載せてあったのだと判明した。 ビンギチは運搬台を飛行機の車輪とまちがえたのである。 八月…