2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(308)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「終戦後は日本航空発足と同時に、国際線のパイロットとして、また教官として、長年『空』の任務を勤めあげてきた、大ベテランである。 「藤田氏は、私の掲げた質問に、しば…

 ●「続・知られざる日豪関係」(307)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「私が不時着の件について話しはじめると、会の事務所に居合わせた方が、 『ああ、そういうことなら、藤田さんに尋ねられたらいいですよ。 あの方が零式に関しては一番詳しい…

 ●「続・知られざる日豪関係」(306)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「P - 40には、一二・七ミリの機銃が六丁装備されているし、この数字は『インチ』に直せば、ぴったり二分の一インチである。 豊島機のエンジンは、この一二・七ミリ機銃から…

 ●「続・知られざる日豪関係」(305)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「たとえば零戦の場合、胴体を軸に左右対称に装備された各機銃は、前方約三〇〇メートルですべて一点に集まるように、銃身の角度が調整されている。 だからこの距離より離れ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(304)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「また五門の高射砲は、全門とも照準を『10/15、000 and various(一万フィートから一万五千フィート、及びその前後)』に定めていたとオーストラリア公文書にあった…

 ●「続・知られざる日豪関係」(303)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「ダーウィンの零戦研究家ジョン・ハスレット氏は、エンジンの被弾は高射砲の炸裂によるものだといっていたが、高射砲ではなかったと思われる。 この空襲のとき、ダーウィン…

 ●「続・知られざる日豪関係」(302)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『・・・・・・下方では、三機の敵戦闘機に追われた味方の誘導機が、パッパッと周囲にきらめく敵の【曳光】弾を避けようとして、必死にもがいている。 一機の零戦が急降下…

 ●「続・知られざる日豪関係」(301)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「前部下方もやはりパイロットの死角ではあるが、自分の機と敵機のスピードが加算され、その分だけ標的をはずしやすくなる。 その点後部からならば、追撃の速度を合わせれば…

 ●「続・知られざる日豪関係」(300)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「長峰会長の説明で、豊島機の被弾は徹甲弾によるものかもしれぬという可能性はつかめた。 しかしたとえ徹甲弾によるものだったとしても、タンク、エンジンともに、毎分何百…

 ●「続・知られざる日豪関係」(299)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『普通一般には、機銃にはさまざまな銃弾を使っているんです。 たとえば炸裂弾とか洩痕弾、それに徹甲弾などですね。 洩痕弾は射撃の弾道を確認するためのものですし、炸裂…

 ●「続・知られざる日豪関係」(298)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「予科練といえば、全二十四期の卒業生三万五千人のうち、その八割以上が軍国日本の犠牲となって、蒼空に散っていったと聞いている。 『七つボタンは桜に錨』と、戦時中の青…

 ●「続・知られざる日豪関係」(297)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「むしろ生きのびようとする積極性さえ感じられる。 ラヴディ収容所で試みた脱走も、その一つだ。 虜囚としての生活を拒否し、しかし死を選ばずに、そこから逃げ出そうとした…

 ●「続・知られざる日豪関係」(296)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「自爆失敗の理由もいくつか考えられるのだが、しかし本当は豊島は、『我死ス』と打電しつつも、死ぬことは考えていなかったのかもしれない。 ダーウィンの格納庫で保管され…

 ●「続・知られざる日豪関係」(295)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「搭乗機が被弾し、発動機が故障したのち、豊島一は何を考えていたのだろう。 母艦『飛龍』へ打った『我死ス・・・・・・』の無電のとおり、自爆戦死することを考えていたの…

 ●「続・知られざる日豪関係」(294)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『備考』 斯クシテ此ノ日飛龍戦斗機隊ノ揚ゲタル主要戦果左ノ如シ 戦闘機(Pー40ト認ム) 一機迫撃 操縦者落下セルヲ銃撃 大型輸送機 一 大型機 一 小型機二 大破 大型機…

 ●「続・知られざる日豪関係」(293)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「時ニ友軍戦斗機ハ上空敵機ト交戦中ニシテ尚地上ニハ数十機ノ敵機アリテ猶豫スル時ハ離昇セントスル気配アリ防禦砲火熾烈ナリシモ飛行機隊ハ猛然之ヲ銃撃大型四機小型五機ヲ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(292)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「萬代氏は豊島の軍歴からして、おそらくは志願兵だろうといといっていたが、それにしても晴れて海軍に志願入団し、胸ふくらませて練習したラッパが、その六年後には自らの…

 ●「続・知られざる日豪関係」(291)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「もう一つ、かれの略歴の中で興味をひいたのは、四等水平時代の『普通科信号術練習生』である。 普通科というのはおよそ水兵として必要な技能訓練のことだろうが、信号術と…

 ●「続・知られざる日豪関係」(290)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「この戦死名簿の記述は、南忠男の捕虜名簿や供述書と、半分符合し半分はまったく違っている。 まず南忠男は飛行兵【曹】、つまり下士官だが、豊島一は一等飛行【兵】である…

 ●「続・知られざる日豪関係」(289)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「思ったよりも少ない戦死者数だが、これが『飛龍』がミッドウェイで沈没するまでの、戦死者のすべてとは思えない。 おそらくは緒戦当時のものだけかもしれない。 右の戦死者…

 ●「続・知られざる日豪関係」(288)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「表紙には、『大東亜戦争 飛龍尽忠録 軍艦飛龍』とある。 手にとって数頁めくってみると、中に戦死者名簿があった。 昭和十六年十二月八日、ハワイ空襲、零式艦戦 一飛曹 西…

 ●「続・知られざる日豪関係」(287)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「靖国神社社務所が教えてくれたのは、『飛龍会』という、まさにそのものずばり、空母『飛龍』の帰還者らによってつくられている会だった。 早速私は、飛龍会代表者である萬…

 ●「続・知られざる日豪関係」(286)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「以上が『飛龍』の『飛行機隊戦闘行動調書』に出ている豊島の、『被弾、自爆戦死』に至るまでの経過である。 防衛庁研修所(注:当時)の資料で調べることができたのはここ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(285)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「このダーウィン空襲の第一次攻撃隊に、はじめて豊島が編入されているのは、こうした楽観的な敵の動勢を考慮したうえで、これから次第に一人前の零戦攻撃隊パイロットとして…

 ●「続・知られざる日豪関係」(284)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「前述の、『蒼龍』艦攻隊としてダーウィン空襲に参加した大多和達也氏は、著書『予科練一代』の中で、そのときの状況をこう書いている。『東海岸のシドニー軍港には、米、英…

 ●「続・知られざる日豪関係」(283)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「そして年明けて昭和十七年(一九四二年)の一月二十三日、『飛龍』を含む南雲機動部隊はアンポンの攻撃に出動しているが、このときの第一次攻撃でも、豊島はハワイ作戦のと…

 ●「続・知られざる日豪関係」(282)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「必ずしもここで、南忠男イコール豊島一と断定するわけではない。 しかし、このトランプの数合わせにも似た作業で、オーストラリア側からのカードと、日本側からのカードを…

 ●「続・知られざる日豪関係」(281)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「ここまで調べてきたものの、私はこの名前を見ても、『あった!』という驚きも、とうとう見つけ出したという喜びも、まったく感じなかった。 すでに私の中では、『南忠男』…

 ●「続・知られざる日豪関係」(280)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「そして、オーストライカー中尉が『二名の日本人をやった』としているのは、その搭乗員である内門一飛曹、鶴飛曹長のことだったのだろう。 残る被害は、『飛龍』の飛行機隊…

 ●「続・知られざる日豪関係」(279)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「そんな小さなダーウィンに、これだけの数の攻撃隊が行ったのだから、軍港や飛行場上空はもう『日の丸』に埋め尽くされていただろうし、防戦態勢の整っていないオーストラリ…