2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(702)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き というのは、ちりぢりになった日本軍がうろついていて、彼らと出会うのをさけるため慎重に歩いたからである。 しかし海岸についてもまだ安心できなかった…

 ●「続・知られざる日豪関係」(701)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ボロナヴァの東方にある海兵隊前哨線の哨兵はクレメンズの一行を見ると銃をかまえたが、発砲はしなかった。 八月一五日の朝、海岸伝いにアメリカ軍の前線…

 ●「続・知られざる日豪関係」(700)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 一通のアメリカ海兵隊軍事郵便が友人のチャールズ・ウイディから届いたのである。 ウイディはリヴァー兄弟農園の管理人で、ガイドとして海兵隊に徴用され…

 ●「続・知られざる日豪関係」(699)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き マクファラン同様、彼も監視員の一人としてオーストラリア海軍のために働いてはいたが、同時に地区行政官であり、島でただ一人のイギリス官吏だという立場…

 ●「続・知られざる日豪関係」(698)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼は西方に退却しつつある日本軍守備隊のため自分が米軍の上陸地点から切り離されているらしいと正確に推定していた。 そしてこの時点で何かやろうとして…

 ●「続・知られざる日豪関係」(697)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ガダルカナル島の監視員たちは、戦争の運命がかくも突如として変化したことを幸いにも気づかなかった。 八月九日の明け方、マクファランはヨナパウ山に置…

 ●「続・知られざる日豪関係」(696)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ターナーは当初、夜中かかって積荷を下ろし、午前七時三〇分に出航するつもりでいたが、三川の来襲はこの予定を狂わせてしまった。 そこで午前中かかって…

 ●「続・知られざる日豪関係」(695)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 真昼のような光りの波に浮び上がったのは、驚きと混乱にあわてふためくアメリカ艦隊の姿だった。 六分間の砲雷撃で、三川はガダルカナル沖の船団を直衛す…

 ●「続・知られざる日豪関係」(694)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼が艦長と一緒にコーヒーを飲みに士官室へ落ちついた丁度その時、伝声管が、「准将、ここに上がって来てはいかがですか。すごい大さわぎですよ」と伝えて…

 ●「続・知られざる日豪関係」(693)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き フレッチャー提督が戦闘機の損失を案じて、空母部隊をただちに引き揚げる決意をしたので、その対策を練るためであった。 それは海兵隊にとってはなはだ困…

 ●「続・知られざる日豪関係」(692)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き やがて夕べの静けさが訪れたとき、彼は日記に印象を書きとめ、次のような言葉で結んだ。 「かくてまたすばらしい一日が終った」 たしかにすばらしい一日だ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(691)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き そのころ東部ガダルカナルの山奥ではよりよい眺望を求めてクレメンズがブンガナに移動していた。 八月八日の朝早く起きて見張所に登ったクレメンズは、壮…

 ●「続・知られざる日豪関係」(690)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き しかし運動している船は狙いにくく、爆弾は全部外れてしまった。 一機は絶望的に輸送船エリオットに体当りして炎上させた。 一〇分間ですべては終った。 …

 ●「続・知られざる日豪関係」(689)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き しかしジャック・リードはターナーに対し空襲の八〇分前に警報を発していたので米艦隊はそれを十分に活用していた。 在泊の全艦船はフルスピードで回避運…

 ●「続・知られざる日豪関係」(688)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 可動の全戦闘機がスロットに向って飛び立ち、母艦上空の直衛機は妨害のためサボ島西方を旋回しつつ待ちかまえた。 だがアメリカ軍は日本側の陽動戦術にひ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(687)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 数分間待ったが何の応答もなかった。 くり返しているとついにニューギニアにいた別の監視員が電波をとらえてくれ、連合軍艦船へリレーしてくれた。 爆撃機…

 ●「続・知られざる日豪関係」(686)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 飛行機だ。 多数の飛行機が北西から近づいて来る。 その方角はよく見えなかったので、興奮した何人かの現住民は木によじ登った。 しかし数秒後に飛行機は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(685)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き これというあてもなくダイヤルを七メガサイクル周波に合わせた。 そこでは時々おもしろい航空機の通信をきくことができた。 するとアメリカの艦載機パイロ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(684)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き しかしメイスンと違ってリードは奥地にかくれる必要はなかった。 そこはすでに十分奥地だったからである。 彼は四月にポラポラに新しい見張地点を見つけて…

 ●「続・知られざる日豪関係」(683)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より かくてリードの無線機はフェルとにあててたえず多量の情報、とくに未完成のブカ飛行場についての状況を送りつづけた。 この飛行場は日本軍が三月に占領して、完成を急いでいたも…

 ●「続・知られざる日豪関係」(682)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より そこでリードは急遽彼らに通報するとともに、勇敢なフィジ―人の伝道者ウサイア・ソツツの助けをかりて救出計画を立てた。 計画はうまく行ってソツツはマッキーと部下たちをカヌ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(681)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より 一九四二年一月二三日、最初の爆撃を受けたのち、リードは露出したソハノの拠点を、アラビア背後の丘陵地に移した。 その直後に島の首都キエタに行ってみると、ヨーロッパ系の居…

 ●「続・知られざる日豪関係」(680)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より 日本軍が喃進して来たとき、彼はヨーロッパ人入植者の家族を疎開させる仕事に没頭した。 彼らはみな頑固で、三人の女性はきっぱりと疎開を拒んだ。 カトリックの伝道者たちも同…

 ●「続・知られざる日豪関係」(679)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より 爆撃機を先頭に旋回して体勢を整えると、再び進路を南東にとり、まっすぐブーゲンビル島の方向へ向って飛び去った。 そのころブーゲンビル島北部にある小さな山村アラビアの奥五…

 ●「続・知られざる日豪関係」(678)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より 自信過剰のラバウル司令部にとっては水を浴びせられたような報告だったろう。 ガダルカナル沖では輸送船団の荷おろし作業が再開された。 日暮れまでに一万一〇〇〇人の海兵隊員…

 ●「続・知られざる日豪関係」(677)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より 一時二〇分グラマンは日本の爆撃隊に攻撃を開始、二分後に水上艦も対空射撃の砲門を開いた。 日本機はあちこちで煙の尾を引きながら墜落していく。 生き残りが爆撃に移ったが、…

 ●「続・知られざる日豪関係」(676)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より アメリカ軍としてはあらゆる利点を活用する必要があった。 グラマンは優秀な戦闘機ではあったが、伝えられるゼロ戦の高性能に太刀打ちできるか疑問があった。 ルンガ沖の船団は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(675)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き だが多くの場合、複雑だがきわめて効率的なリレー送信で通信は流れていた。 ポート・モレスビー(ブーゲンビル島の監視員を統制する中継本部)は、受信す…