2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(429)

〜 カウラ事件とは? 〜 インドネシア市民 (注:「事件」とは関係ないが、「意外な事実? なので、あえて紹介する)。 当時オランダ領東インド政府下のインドネシアでの、インドネシア愛国主義者は、イリアンジャヤ(オランダ・ニューギニア)の収容所に1927…

 ●「続・知られざる日豪関係」(428)

〜 カウラ事件とは? 〜 キャンプ • 名称:"カウラ第12戦争捕虜収容所 (No. 12 Prisoner of War Compound, 正式名称: Cowra PW and I Group( Prisoners of War and Internees Group))" • 位置:NSW 州都シドニーの西250kmに位置する町 カウラ の中心部か…

 ●「続・知られざる日豪関係」(427)

〜 カウラ事件とは? 〜 この「出来事」は、当時、日本ではほとんど報道されなかったという。 カウラ事件について、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」を参考に、改めて振り返ってみたい。 カウラ事件(カウラじけん)は第二次世界大戦時の1944…

 ●「続・知られざる日豪関係」(426)

千葉茂樹さんの「オーストラリアと私」〜和解する勇気 神父に感銘〜の続き。 「『1人の勇気が元兵士らを動かした』と感じ入った。 4年がかりで『豪日に架ける ー 愛の鉄道』を制作、99年から自主上映した。 その後は映画交流の最前線に立つ。 『アジアフ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(425)

千葉茂樹さんの「オーストラリアと私」〜和解する勇気 神父に感銘〜の続き。 「『戦中を知る世代の間では、複雑な対日感情があることに驚きました』 この訪問直後、奈良県内に長く住み、草の根の日豪交流に尽くしたオーストラリア人、故トニ・グリン神父の功…

 ●「続・知られざる日豪関係」(424)

2004年1月22日、地元の小学校で、「マザー・テレサ」に関する講演会が開かれた。 講師は、映画監督で、日本映画学校(川崎市)理事・教育局長である千葉茂樹さん。 講演会のあと昼食をともにする機会に恵まれ、千葉さんと「オーストラリアの原住民問…

 ●「続・知られざる日豪関係」(423)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜「この文からは、ここに到達するまでの中野さんの血のにじむようなご努力と情熱、そして喜びを十分にくみ取ることができる。 素晴らしい取材と文章に、ただただ感服するととも…

 ●「続・知られざる日豪関係」(422)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『著者略歴 1950年10月新潟市生まれ。78年に渡豪。地理学雑誌『GEO』に寄稿。80年『JAPANESE PEARL DIVER IN BROOME』でオーストラリア・ナショナル・プレスクラ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(421)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「戦争を知らぬ世代の私が戦争当時の状況を調べることは、まさに暗中模索のことであり、はじめのうちは取材もほとんど徒労と思えるようなことの連続だった。 しかし、多くの…

 ●「続・知られざる日豪関係」(420)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「管理しているのはカウラ市、担当は五十がらみの男性である。 この日もかれは朝九時に来て、芝生の落ち葉を拾い集め、戦没者慰霊碑のまわりを掃き清め、スプリンクラーを開…

 ●「続・知られざる日豪関係」(419)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「思えばアンザック・デーという特別の日に、その意味も考えず、この苦い過去をもつ町へやってきたのは、私の戦後派ゆえの軽率さだったのかもしれない。 ほかの日だったなら…

 ●「続・知られざる日豪関係」(418)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『気にするなよ、今日は荒れているようだ』 パブのあちこちからかけられる声に、私はホッとして胸を撫でおろしたものの、この一瞬の出来事の間、老人にひとことも言葉を返…

 ●「続・知られざる日豪関係」(417)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「かさついて張りのない老人の白い肌には、左肩から胸にかけて、ひきつるようなてらてらとした直線が、長さ四〇センチほどにわたって走っていた。 むろん、その傷を見た瞬間…

 ●「続・知られざる日豪関係」(416)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「老人の言葉に驚いたのは、『ジャップ』本人の私だけではない。 カウンターやテーブルでかしましく談笑していた町の人々も、一瞬鎮まりかえり、老人に視線を向けた。 シンと…

 ●「続・知られざる日豪関係」(415)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「その日、カウラでもさまざまな催しが行われ、町には沢山の勲章を胸につけ元気に歩きまわる老人たちの姿が目立った。 夜、ひと仕事終えてパブに入ると、ここでも勲章をぶら…

 ●「続・知られざる日豪関係」(414)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「南忠男が吹き鳴らしたあのラッパとは、その軸上で、四十年前にオーストラリアの地で焦点を結んだ、縮小された投影図に相違なかったのだと私は思う。 オーストラリア国内で…

 ●「続・知られざる日豪関係」(413)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「活字に吸い寄せられるように読みすすみながら、私はそこに、暴動が決定したあとの、捕虜たちの心の動きをなぞらえずにはいられなかった。 この記事の筆者、戦中派の森本忠…

 ●「続・知られざる日豪関係」(412)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「いまさら閣議の様子や東条陸相の言動を、カウラ暴動前夜の班長会議に照合する必要もないだろう。 寸分違わぬといってよいほどに酷似する状況が、開戦前夜においてもあった…

 ●「続・知られざる日豪関係」(411)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「『戦備について、事実、日本の国家諸資源(ヒト、カネ、モノ)をあずかる主要閣僚たちは、こともあろうに開戦間際になってさえなんの自信も持っていなかったばかりか、む…

 ●「続・知られざる日豪関係」(410)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「それは四十年前である必然性などまったくない、現代の日本の社会においても日常生活の中で多分に見られる、ある種の構造的なものだったのではないだろうか。 カウラ第十二…

 ●「続・知られざる日豪関係」(409)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「この若者の生への努力を肯定することにより、私自身の中にある偏見をも肯定したかったからだ。 そして、かなり強引ではあったかもしれないが、彼の必死の努力による『不時…

 ●「続・知られざる日豪関係」(408)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「取材をすすめる過程で、つねに私は、対象を戦後派の眼をとおして見ようとこころがけていた。 戦争を知らぬ世代として、四十年前の日本を、ある種の偏見をとおして見ていた…

 ●「続・知られざる日豪関係」(407)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「あとがき 戦後ベビーブームの末期に生まれた私にとって、『戦争』という二文字から思い浮かべられる実像は、皆無にひとしい。 せいぜい子供の頃から伝え聞いていた話や、と…

 ●「続・知られざる日豪関係」(406)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「やたらと猫を可愛いがり、コンパウンドにまぎれこんできた野良猫を四、五匹も飼い、首に『ミナミ』と書いた札をさげさせていたこと等々、それらはいずれも、生きている南忠…

 ●「続・知られざる日豪関係」(405)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「たとえ目の上の傷がなくとも、忘れることのできぬ戦友の姿を、この写真に見たのであろう。 『間違いないな、南君や』 高原氏は、何度もそうつぶやいたり、うなずいたりしな…

 ●「続・知られざる日豪関係」(404)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「豊島のもっとも晴れがましい姿と思われる、飛行帽に飛行服姿で練習機のプロペラに手をかけて立つ、操練五十六期卒業の写真を上に、ひと束に重ねてである。 『うん、南君…

 ●「続・知られざる日豪関係」(403)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「森木氏がカウラ収容所に入ったのは、昭和十八年の五月、南の不時着逮捕から遅れること一年と三カ月である。 この一年三カ月の間に豊富な食糧に恵まれ、死の危険もない安穏…

 ●「続・知られざる日豪関係」(402)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「だが、二、三十枚もある写真の束を、一枚一枚めくり、何枚目かにきたとき、 『あっ、これだ、南君だ。 そうです、この写真は南君ですよ。間違いないですよ』 と明るい表情…

 ●「続・知られざる日豪関係」(401)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「私は、写真を手にじっと見つめる、森木氏の反応を、手に汗握る思いで待った。 『うーん、ちょっと違いますなあ。 もっと肉づきがよくて、ふくよかな顔をしていたように思う…

 ●「続・知られざる日豪関係」(400)

〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜 「夕刻、高知市の隣町伊野町に着くと、予約しておいた旅館で、私は森木氏と会った。 そして再会の挨拶もそこそこに、テーブルの上に昌三氏と一子さん(注:著者の中野さんは…