2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(7)

便利さに慣れ切ってしまった人間からみれば、「なんと遅れた国だろう」と思うだろう。 だが、この国は、実は豊かな資源に恵まれた“資源輸出国”であり、逆に日本は、資源を外国に求めている“資源輸入国”なのだ。 日本がオ−ストラリアから輸入しているものの一…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(6)

前にも触れたように、“過少包装”が行き届いているので、当然「家庭ごみ」も少ない。 その上、ティッシュ・ペーパーの空き箱や紙タオルのしんなどは、工作時間の材料として小学校で使われる。 使い捨てのガス・ライタ−が普及している日本人には想像もできない…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(5)

直接口にするものを古新聞に包むことには、いささか抵抗感がある。だが、彼らは「新聞紙には保温効果があり、いつまでもホカホカと温かく、おいしく食べられる」と言う。 合理的? 過ぎて困る場合もある。その一例が、レコードのジャケットだ。私は、それほ…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(4)

ス−パー・マーケットなどでも、むき出しで並んでいる商品をそのままショッピング・カ−に載せ、レジが済むと店の一隅に積まれたりんごやみかんなどの“空き箱”に直接入れて車まで運ぶ。 ス−パーの名前が印刷された紙袋や冷凍食品などを入れるビニール袋も用意…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(3)

奥さんと子どもを従えて店員に抗議している“主夫”の手には、決まってそれぞれの金額を記入した買い物のリストが握られている。 「レジに表示される数字よりも、自分の計算の方が正しい」というのだろう。 あらかじめ、買い物のメモを作ってス−パ−に来る客が…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(2)

この店の主人は、私が何も言わないのに、「日本に帰るまで、あと何週間残っているか」と尋ね、次に「一週間に、何回プレ−するか」と聞いてきた。 残りの滞在期間と「週に2回ぐらい」と答えると、彼は直ちに“計算”を始めた。ゴルフ・カ−トを借りた場合と買っ…

 「オ−ストラリア人気質の詳細」(1)

オ−ストラリアで、左右にフェンダ−・ミラ−のついた車を見かけたら、まず「日本人のもの」と考えてよい。 この国の人たちは、自分の身を守るためのシ−ト・ベルトには高いお金をかけるが、フェンダ−・ミラ−にはあまり関心がないようだ。「道幅が広いので、必要…

  休暇の取り方(5)

ものの本によると、オ−ストラリアは「世界中で一番休みの多い国だ」とか。 私が勤め始めたころ、「戸惑い」を感じたのも無理からぬ話だろう。 もっとも、マスコミや警察官、消防署員など特殊な? 職業に就いている人々は、週末でも働かなければならない。 ち…

  休暇の取り方(4)

さらに、日本と違って、2日とか3日とか、こま切れに休暇を取ることは許されていない。最低、1週間単位で休まなければならないのだ。 それにしても、この国は、実に“ヤスミ”が多い。 年に、3週間以上の有給休暇。土曜・日曜日は完全に休む「週休二日制」…

  休暇の取り方(3)

その理由の一つは、部長としての彼の日常業務は忙し過ぎる。だが、次長の代行をする6週間は、比較的時間に余裕ができること。そして、もう一つ注目すべき点は、次長として働く期間中は“高い給料がもらえる”というのだ。 詳しく説明すると、彼本来の部長では…

  休暇の取り方(2)

ボスの休暇中、次長は自分の席を離れてボスの部屋に行き、仕事をする。当然、そこにはより豪華な応接セットなどがあり、代行中はもちろん使用できる。 空いた次長の部屋には部長が、部長の席には課長が、課長の机には係長が、そして係長のあとには・・・。 …

  休暇の取り方(1)

毎年12月も10日近くになると、私の勤め先のボスは、オフィス内を“一回り”するのが慣例になっている。 クリスマスまでには大分間があるのだが、彼はスタッフのみんなに、「良いクリスマスを!」と挨拶して歩く。 この挨拶を終えたあと、決まって年末に3週…

 「けじめのつけ方」の続き

彼女は、この用紙に私の住所と氏名を書き込み、次にはレシ−トの数字=たぶん、売り場を示す番号や日付けなど=を転記して、最後に私にサインを求めて、2ドル25セントの現金を返してくれた。つまり、いったんは「返品扱い」にするわけだ。 女性店員は、私…

  けじめのつけ方

買ったばかりのピカピカの新車がおそれおおくて、車の床に敷くカ−・マットを二枚買った。後部座席の床には大型のものを、運転席の床には中型のマットを買ったのだが、中型の方が中途半端で、どうにも使いにくい。 翌日、購入先のデパ−トへ行って、大型のマッ…

 「テレビ放送ストップ」のさらに続き

テレビはかなり普及している上、家電製品の中では消費電力の多い方だ。 だから、テレビ局の電波を止めてしまえば、テレビによる電力消費量はゼロになり、節電の効果は十分に期待できる・・・。 きわめて単純明快な論理で、頭の回転のにぶい私にもよく理解で…

 「テレビ放送ストップ」の続きの続き

毎週楽しみにしている国営放送局の番組を見ようと、テレビのスイッチを入れた。 この国には、「瞬間映像ナントカ式」などという“便利だが、電力をむだづかいする”テレビはない。画面が出るまで、ジ−ッと我慢して待たなければならないのだが、この夜は、なぜ…

 「テレビ放送ストップ」の続き

現金を扱う銀行の窓口なども、明かりを三分の一に減らして薄暗くなってしまう。 お金の勘定を間違えやしないか、同じ間違えるなら、高額の紙幣を余分にくれないものかと期待? するのだが、もちろんそんなことはない。 いつもなら一晩中ショ−・ウインド−の明…

  テレビ放送ストップ

改めて、オ−ストラリア人の合理的な生活ぶりを紹介したい。 1972年2月、メルボルンのあるウ゛ィクトリア州では、発電所の労働者がストライキに突入したため長期に渡って電力の使用制限が続いた。 ウ゛ィクトリア州の電気局からは、「家庭内の照明は一部…

 「夫婦げんかの結末」のさらに続き

「何かが起きそうだ!」たまたま出会った奥さんの表情から、そんな雰囲気が感じられた。 ついに、ある夜、派手な言い争いが始まり、それは階上の私の家にまで聞こえた。 それからしばらくして、彼らの家にやたら客が出入りするようになる。 入れ代わり立ち代…

 「夫婦げんかの結末」の続きの続き

日本人の私から見れば、気心の知れた仲間同士が一緒になってワイワイ・ガヤガヤ言いながら引っ越しするのは、まことに楽しそうで、レクリエーションの一つのようにも思える。 「助けられたり、助けたり・・・」。昔、日本でも、そんな歌が流行ったことがあっ…

 「夫婦げんかの結末」の続き

子どもたちが成長して新しい所帯を持ち家を離れると、老夫婦にとって、郊外の家は広過ぎる上、経済的にも無駄が多くなる。そこで、今度は中心街に近いところにフラットを見つけて、移り住むのだ。 日本のように、一度家を建てたら、一生そこに住み着くことな…

  夫婦げんかの結末

オーストラリアの人たちは、家族構成に変化があると、当然のように住まいも変える。 結婚したばかりのカップルなら、しばらくはフラットで過ごす。フラットと言っても、日本のアパートとは比較にならないほど面積が広く、部屋数も多い。日本の2DKは、この国…

  ピック・アップで助け合い(8)

同じフラットに住むジョンの車だ。運転席の窓を開けながら、彼は 「よかったら、私の車に乗りませんか?」 「ありがとう。でも、どちらへお出かけなんですか?」 ジョンは、実家に遊びに行っている奥さんと赤ちゃんを迎えに行くというのだが、運悪くこれから…

  ピック・アップで助け合い(7)

時には、学年やクラスによって下校時間がずれることがある。そういうときには、授業が済んだ子どもたちを近くの公園で遊ばせながら、“お残りさん”をのんびりと待つのだ。 ピック・アップは、サラリ−マンや通学する子どもたちだけでなく、日常生活にもごく自…

  ピック・アップで助け合い(6)

こうして一台の車に乗り合わせることができるのは、サラリ−マンの出・退勤時間がほぼ同じで、それぞれの勤め先もあまりかけ離れていないという事情があるからだろう。 何しろ、時間外労働をするサラリーマンは、ほとんどいないお国柄だ。朝の出勤時間が同じ…

  ピック・アップで助け合い(5)

彼らは、友人同士誘い合わせて一台の車にみんなで乗り、務め先を往復している。 だから、定員いっぱい、時にはそれ以上? の人間が乗り込んでいる車も見かける。 労働力が足りない上、託児所などの社会福祉施設が発達しているせいか、この国では共働きが圧倒…

  ピック・アップで助け合い(4)

メルボルンは、クラシックな建物が多いことから「ロンドンに似ている街である」と紹介したが、最近は、ここでも古いビルを取り壊して、高層ビルに建て替える工事が行われるようになった。 「イギリス一色」だったこれまでの風景に、「アメリカ」が加わろうと…

  ピック・アップで助け合い(3)

「ヘラルド、ファイナル! ヘラルド、ファイナル!」 ジーンズのよく似合う縮れ毛の小学生のテナ−が聞こえてくる。 「ヘラルド新聞(夕刊専門紙)の最終版ですよ!」と呼びかけている新聞売りの少年だ。 反対側の道路からは、「パイパ−! パイパ−!」。こち…