2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「極秘訓練」は、「特殊潜航艇」を使ってのものだった。 この「潜航艇」は二人乗りで、長さ23,9メートル、魚雷2本を持つ小さな潜水艦で、「100人乗り・100メートルの潜水艦」を「小型化したもの」だった。 この潜水艦を、「母艦」である2,40…
13日に呉に入港した後、艦長が水交社(1876年=明治9年=に海軍省の外郭団体として創設された日本海軍将校の親睦・研究団体。海軍士官向けの旅館や喫茶店なども経営していた。会員は、海軍士官や高等文官、士官候補生などの海軍関係者に限られていた。) …
いよいよ「艦隊に編入されよう」というとき、軍司令部から緊急な極秘命令が出される。 それは、「10日間で、筒搭載装置を装備しろ」というものだった。 佐世保の工厰だけでなく、わたしたちも、「筒搭載装置」については何の知識もなかったが、とにかく1…
このほか、「電信室から上がってくる情報を、艦橋から乗員に適切に伝えること」も、任務の一つだった。 開戦間近の状況下で、次第に、 「敵を見ないうちに、戦争が終わってしまうのでは、おもしろくない」という心境? から、実戦に参加できる「潜水艦」の乗…
(山本氏の「戦暦」) 昭和14年、江田島の海軍兵学校を卒業。 その後、半年間は内地で過ごし、支那・ハワイ・南洋へと「遠洋航海」をする。 最初の1年間は、1万トン以上の大きな艦船に乗るのが恒例になっていて、山本氏は、第2艦隊の旗艦である「高雄」…
山本氏は、その冊子(講演)の冒頭で、次のように述べておられる。 「戦後戦記物も数多く出版されておりますが、文士の方の書いたものは面白いが矢張り小説であり、これに反し軍人の書いたものは、戦争の単に記録になっているものが多い様です。 (中略) 私…
あるパーティーの席で、当時、鹿島建設の常務をしておられた山本 康久氏とお会いする機会があった。 驚いたことに、山本氏は、「シドニー港の攻撃に、直接参加された」という。 話は尽きなかったので、「機会を見つけて、もう一度お会いしたい」と思っていた…
日本の潜水艦は、シドニー軍港を急襲した後「商船」を攻撃し、またニューカッスル市街へ砲撃を加えたので、オーストラリア国民の受けたショックは非常に大きかった。 ある書物で知ったのだが、このときオーストラリア政府関係者の間では、 「オーストラリア…
オーストラリアの首都・キャンベラにある戦争記念館には、シドニー湾を攻撃した特殊潜航艇二隻の前部と後部とを組み合わせたものが遺品が展示されており、「この勇気を見よ」の文字が添えられている。(小さな特殊潜航艇を目にしたとき、わたしは、あふれる…
昭和17年6月5日大本営発表 「帝国海軍部隊は特殊潜航艇を以て、5月31日夜濠州東岸シドニー港を強襲し、港内突入に成功、敵軍艦一隻を撃沈せり。本攻撃に参加せるわが特殊潜航艇三隻未だ帰還せず」。 6月1日シドニーのラジオ放送 「日本の特殊潜航艇…
オーストラリアは、建国以来、よその国(外敵)から攻撃されることはなかった。 ところが、1942年2月19日、日本軍は、北部特別地域にあるダーウィンを攻撃した。 オーストラリア本土にとって、「初めての空襲」だった。 このときは、郵便局に落とされ…
「 日本がオーストラリアと戦争をした」と言ったら、にわかには信じられない方が多いと思う。 わたしの世代でもそうなのだから、若い方は、「そんな馬鹿な!」と言われることだろう。 わたしが滞在していた30年以上も前、オーストラリアの人々は、 「日本…
コアラは、一時「絶滅の危機」に瀕したこともあったが、「保護規則」が設けられて、手厚い保護を受けるようになった。 また、ヴィクトリア州で山火事が発生したときには、身の危険をかえりみずにコアラを助けた人が少なくなかったという。 (以上は、197…
コアラが水を飲まないのは、必要な水分を、ユーカリの葉に付く露から確保しているからだ。 全体に毛深く、黒い大きな鼻と茶色の目を持っているかわいらしいコアラは、昼の間はユーカリの木の上で居眠りしていることが多い。 夜になると、木から下りて別の木…
コアラは、別名「コアラ・ベア」とも呼ばれることから、熊の一種と思われるも知れない。 だが、雑食性の熊とは、似ても似つかぬ動物である。 コアラは、600種類以上にも及ぶユーカリの中から、樹皮の滑らかな12種しか食べない。 特に好んで食べるのは、…
「ねずみぐらい」の小さなものから、前足にグローブをつけてリングに上がり、「サーカスの人気者」となっている大きな「ハイイロ・カンガルー」に至るまで、実に多種多様である。 カンガルーに代表される有袋類は、アメリカ大陸では、ほんの数種類しか見つか…
〜ユーカリしか食べないコアラ〜 (オーストラリアの動物たち) オーストラリアは、かつて「アジア大陸と陸続きだった」と言われる。 それが、何らかの理由で、海によって隔絶されてしまった。 このため、「アジアで滅びてしまった珍しい動物」が、この国に…
次の月曜日、アメンダのクラス・メートの一人が、教室で先生に質問した。 「うちのママが、アメンダのパパがテレビで、アメンダに、 『誕生日、おめでとう』と言ったのは、いけないことかもしれないと話していました。 アメンダのお父さんは、正しかったかど…
甘えん坊のアメンダは、父親にこう話したというが、仕事であればしかたない。 結局、「誕生パーティーは夕方から」ということになった。 この国では、「子どもは、夕方の5時までに家に帰らなければならない」のだが、この日は「特例」だったようだ。 おじい…
〜ちっとも、こだわらない〜 わたしの息子のクラス・メートであるアメンダは、毎朝、母親から、頭に大きなリボンを結んでもらって学校へやってくるかわいいい女の子だ。 アメンダの父親は、メルボルンの商業テレビ局のスポーツ・アナウンサー。 土・日が休み…
ゴルフと関係のない話に花を咲かせ、マイ・ペースでカートを引きながら、 「笑いカワセミが鳴き出した」と言っては、プレーを中断して、その鳴き声のするところへみんなが集まって、耳を傾ける。 「蛇がいる」と誰かが叫べば、その声の主のところへ駆け寄り…
このご婦人に限らず、郵便配達人やスーパーのレジ係、市電の車掌さんなど、この国の人々は、仕事を忘れて? おしゃべりに夢中になる。 日本では、ゴルフ場と言えば「混雑」の代名詞になっているが、オーストラリアでは「のんびり」という言葉に置き換えるこ…
こういうとき、本来ならきれいにいなっていなければならないはずのフラットの階段や駐車場は、汚れたままほっておかれることになる。 仕事の手を休めておしゃべりに熱中し、そうこうするうちに、「帰る時間」になると、掃除が済んでいようがいまいがまったく…
オーストラリアでは、道ですれ違っただけでも、お互いに挨拶を交わす。 もちろん、ラッシュ・アワーの目抜き通りのように、たくさんの人で混雑するところでは、いちいち挨拶することなどできないが、郊外の住宅街や公園などでは、見知らぬ人が、 「こんにち…
〜とてもおしゃべり〜「この国の人ほど、おしゃべり好きな国民はいませんね。エレベーターの中で、初めて会った人から話しかけられたり、見知らぬ同士なのに、お天気の話やその日の出来事などを話し合ったりするんですね。」 イギリスから移住してきたばかり…
こういう看板を掲げるのは、「給水制限中に水道水を使っている」と、誤解されたくないからだろう。 同時に、一方では、「ルール破り」に対して、「他人の目が厳しく光っていること」を示している。 「みんなのために」という発想が優先するオーストラリア。 …
流しにつけた後は、一つずつ取り出して、水分をふきんで拭き取るだけ・・・。 改めて「すすぐ」ことなど、めったにしない。 ある日の新聞に、「水道の使用制限を破って隣人に告発され、多額の罰金を支払った」という記事が載った。 その人は、たまたま水の豊…
女房の台所仕事を手伝っていたオーストラリアの女性から、 「あなたは、どうしてそんなに水を使わなければならないのか」と尋ねられたという。 女房にしてみれば、給水制限が行われているわけでもないので、別に気にも留めずに、ごく普通に、つまり「日本式…
わたしたちの水の使い方は、水に恵まれない彼らから見れば、「きわめてぜいたく」に思えるだろう。 だが、こう気づいたところで、一度身についた習慣をすぐに改めるのは、なかなか難しい。 風呂好きな国民性、茶わんやお皿を洗うにしても、洗剤を使った後、…
〜水は貴重品〜 水に恵まれないヨーロッパの風習を受け継いでか、オーストラリアでは、水を非常に大切にする。 大きなダムがないので、メルボルンでは、しばらく雨が降らないと、たちまち給水制限が始まる。 こういうとき、一番迷惑? をかけるのは、実は、…