2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 ●「続・知られざる日豪関係」(733)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き アメリカ軍はかろうじて島の制空権を確保していたので、敗戦の日本軍が海兵隊陣地に侵入してくるのを抑止することができた。 しかし日本軍は制海権を握っ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(732)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 二日間の戦闘で、海兵隊の死傷者一四三人に対して、川口は一二〇〇人以上を失う打撃を受けたのである。 かくてアメリカ軍の橋頭堡は確保された。 海兵隊は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(731)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き だからジャック・リードは依然としてかけがえのない秘密兵器だったのである。 その間も海上では”東京急行”が走りつづけ、川口少将の兵力は六〇〇〇人に達…

 ●「続・知られざる日豪関係」(730)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 日本機の編隊が動揺したあと爆撃機は安定を失ってひらひらと墜落して行く。 ゼロ戦が反撃に来援してくる・・・・・そびえ立つ積乱雲の周辺のあちこちで彼…

 ●「続・知られざる日豪関係」(729)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ゼロ戦との戦闘を引き受けたグラマン・ワイルドキャット戦闘機は優秀な迎撃機であったが、上昇力が不足し、より速くより機敏なゼロ戦の機先を制するに必要…

 ●「続・知られざる日豪関係」(728)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼はそれを直通電話で飛行場の真北にある風変わりな“パゴダ”風の航空管制班の建物へ送り、そこからD-2を経由して交換台から防空部隊へ伝えられた。 リード…

 ●「続・知られざる日豪関係」(727)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 息苦しい待避壕の中でこうした報告に聞きいった人々は敵中深く潜んでいるこの男の声がいつも沈着で冷静なのに驚くのだった。 彼らはリードの通信の簡潔な…

 ●「続・知られざる日豪関係」(726)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 八月二九日〇八二五 双発爆撃機一八、戦闘機二二、 只今頭上を南東に向う。 八月三〇日〇九二五 戦闘機らしき一五機、東岸を経 て南東に向う。 八月三一日…

 ●「続・知られざる日豪関係」(725)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼は日常の通信を手伝ってもらうのにマッキー大尉の無線技師H・L・スライ伍長を借りていたが、飛行機の監視は必ず自分でやった。 ラバウルの日本軍航空隊…

 ●「続・知られざる日豪関係」(724)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ブーゲンビル島の南端に近いマラビタ丘の見張所から、ポール・メイスンはショートランドの日本海軍泊地の全容を見下ろすことができたが、八月二九日彼は異…

 ●「続・知られざる日豪関係」(723)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き しかし最初の二、三時間は生死が危ぶまれ、意識不明だった。 麻酔をかけられる直前、ヴォーザは正気づき、「奴らには何も言わなかったよ」とつぶやいたの…

 ●「続・知られざる日豪関係」(722)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 午後五時までに戦いは終った。 海兵隊はイル川の名をまちがえて”テナル川の戦い”と呼んでいるが、それはともかく、ヘンダーソン飛行場を取り返そうとした…

 ●「続・知られざる日豪関係」(721)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ヴォーザはまだ言いたいことがあったが、今度は個人的な事情だった。 彼は助からないと思っていたので妻子にあてた長い伝言を話したのである。 クレメンズ…

 ●「続・知られざる日豪関係」(720)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼は何とかしばられた縄をゆるめ、つまずきながら這うようにして海兵隊の前哨陣地までの三マイルを帰って来たのだった。 さすがのヴォーザも出血多量で弱…

 ●「続・知られざる日豪関係」(719)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 空母から一二機の急降下爆撃機と一九機の戦闘機がヘンダーソン飛行場に着陸したのである。 二一日午前一時三〇分頃、輝く緑色の炎が日本軍攻撃の開始を告…

 ●「続・知られざる日豪関係」(718)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 日本軍の目標はまさしくヘンダーソン飛行場の奪還であった。 兵力は一個連帯の約三分の一に当る前進梯団だけが上陸していたのだが、隊長の一木清直大佐は…

 ●「続・知られざる日豪関係」(717)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ところがヴォーザは家に帰る途中でいきなり日本軍の偵察隊と出会ってしまった。 彼らは問題の旗を見つけ、尋問のためヴォーザをタネバツの集落に連れて行…

 ●「続・知られざる日豪関係」(716)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼は危急に際して手腕をふるいたちまち偵察網に欠かせない人物となった。 連合軍の上陸後、ヴォーザは海兵隊に参加したが誇らしげにユニオン・ジャックの…

 ●「続・知られざる日豪関係」(715)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ダニエル・ピュールは海兵隊の巡視兵に任命され、少しおくれてヤコブ・ヴォーザ巡査部長が配下の現住民偵察隊を連れて出て行った。 ヴォーザは多彩な能…

 ●「続・知られざる日豪関係」(714)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 午後一一時を過ぎた頃、海岸沿いの見張部隊は、ひたひたと洗うやわらかい波のリズムが乱れているのに気づいた。 大波が押し寄せてきた ── 明らかに全速で…

 ●「続・知られざる日豪関係」(713)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 日本の爆撃機が爆弾を投下したとき、KEN局のスタッフはヒュー・マッケンジーが一向に退避しようとしないので、びっくりした。 気がつくと彼は待避壕の入口…

 ●「続・知られざる日豪関係」(712)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き ところが二つのコールサインは混乱のもととなり、結局このステーションはKEN局の名で通用することになった。 新無電局は早速、存在価値を示した。 一八日…

 ●「続・知られざる日豪関係」(711)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 待避壕のすぐそばに彼は砲弾の破片であちこちが裂けた日本軍のテントを張った。 誰も欲しがらないので利用できたのである。 このテントは事務所として待避…

 ●「続・知られざる日豪関係」(710)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き よい場所はすでに取られていたが、ついに彼は誰も敬遠する場所 ── 飛行場の真北に日本軍が作った待避壕を発見した。 そこは明らかに、敵が侵入してくる時…

 ●「続・知られざる日豪関係」(709)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き マッケンジーはもう一人海軍から助手を連れて来た。 その男は熟練した通信専門の民間人でヘンリー・レイマンというニューアイルランド島からの逃亡現住民…

 ●「続・知られざる日豪関係」(708)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き その中にエリック・フェルトの次席、ヒュー・マッケンジー少佐もふくまれていた。 マッケンジーはフェルトと一緒に海軍兵学校を卒業、二〇年代に南太平洋…

 ●「続・知られざる日豪関係」(707)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き メイスンやリードからの敏速な警報も、迎え撃つ飛行機がいなければほとんど役に立たなかった。 アメリカ軍にとっての最優先任務は飛行場を使用可能にする…

 ●「続・知られざる日豪関係」(706)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き それ以上のことを望んだのはこっけいなことかもしれないが、やはり失望に変りはなかった。 クレメンズはもう一つ失望すべき真実を発見した。 ブンガナから…

 ●「続・知られざる日豪関係」(705)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き その日の夕方、彼はチャールズ・ウイディと感傷的な再会をとげ、日本酒一本とブランディの小びん二本を並べ、夜を徹して話しこんだが、あまり興奮しすぎた…

 ●「続・知られざる日豪関係」(704)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より ”ステーキと卵”の続き 彼はやっと自分の名前をつぶやくことができた。 哨兵は顔をやわらげ、煙草とチョコレートをくれた。 たちまち海兵隊の連中がわっと周りをとり囲み、口々に…