2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

  白豪主義(3)

オ−ストラリアの白豪主義の歴史は古く、19世紀半ばの「ゴールド・ラッシュ」の時代にまでさかのぼる。 大量に導入された中国人労働者が低賃金でよく働いたため、一部のオ−ストラリア人労働者が、「自分たちの労働条件を悪化させる恐れがある」として、中国…

  白豪主義(2)

改正された移民法によると、「(1)経済的能力があること(2)健康であること(3)オ−ストラリアに定着(定住)できることの三つの条件が満たされれば、いかなる人種でも、移民が認められる」という。これは、労働党政権が、人種差別解消に前向きな姿勢を…

  白豪主義(1)

(感謝! ’06年3月29日に「アクセス・カウンタ−」を設けたところ、一日当たり、30〜60人の方が、私のブログを読んでくださっていることが分かりました。 これからは、「アルコ−ルの話題」から離れて、1970年代当初のオ−ストラリアの“白豪主義”…

  二日酔いに効く薬(5)

ブランデ−をベースに、さらに二本のボトルから“何か”を注いで氷を加え、シェイクして“出来上がり”。 「これで、あなたの頑固な二日酔いも、すぐに治りますよ。どうぞ・・・」 残念ながら、二日酔いから、“直ちに”解放されることはなかった。 ただ、「二日酔…

  二日酔いに効く薬(4)

ここまで来れば、もう引き返すことはできない。 「迎え酒の習慣は、この国にもあるんだ!」と、妙に感動? しながら、とにかく「成り行きに任せる」ことにした。 トムは、早速バーテンに注文する。まず、弁護士に向かって、 「ビールでいいだろう? じゃあ、…

  二日酔いに効く薬(3)

「あくまでも“アルコ−ルに似た飲み薬”で、ケンの考えているものとは違うんだ! とにかく、アレを飲めば、どんな二日酔いでもピタリと治るんだよな、トム! ニ−ナの料理が、特別おいしくなるよ・・・」 結局、彼らに勧められて、その“薬局”へ行くことにした。…

  二日酔いに効く薬(2)

三日ほどパ−ティ−が続いたのと寝不足も手伝ってか、私は“ダウン”寸前だった。 トムとの約束がなかったら、家のベッドにじっとうずくまっていたに違いない。 「二日酔いに効く薬? いや、せっかくだけど、薬は飲まない主義でね・・・」 「ケンは分かっていな…

  二日酔いに効く薬(1)

トム(アンクル・トムとは別人=印刷会社を経営している友人)は、彼の癖でもある目をパッチリ開けて両手を大きく広げながら、こう言ったものだ。 「こんな“もの静か”なケン(『牧場巡りツア−』で“ケン”というニックネ−ムを頂戴して以来、みんなからこう呼ば…

  牧場巡りツア−(21)

中でも、トムから、私に『酒の飲み方を教えてやるように』と命令? されているケウ゛ィンは、彼にとっては「窮屈この上ない」席で、巨体を揺すって大笑いしている。 そのケウ゛ィンにウインクをしながら、“ぐっすりオヤスミ中”のトムを飛ばして、隣の座にい…

  牧場巡りツア−(20)

(私の下手なスピ−チは続く)。 「これは、長い歴史を経て作られたものですから、肉類が苦手でもしかたないと思います。 ところが、アンクル・トムは、『アルコ−ルについても、お話にならないほど弱いヤツだ』と私をののしり? ました。 そこで、今夜、彼と“…

  牧場巡りツア−(19)

(私には、ジョ−クを交えておしゃべりする余裕などない。とにかく、素直に話そう!) 「レディ−ス・エンド・ジェントルメン! 私は、ここで皆様に一つご報告しなければならないことがあります・・・」。(なんと、下手くそな英語だろう・・・)。 一通り関係…

  牧場巡りツア−(18)

対向車のヘッド・ライトが、真っ暗闇の中から、一条の光となって突進してくる。 遠くの平面にキラキラ揺れて見えるのは、クリ−ク(小川)に何かの光が反射しているのだろう。 トムは、私の隣で、静かに寝息を立てている。バスの中では、話すことが“大好きで…

  牧場巡りツア−(17)

トムが、“ダウン”したので、結果的に“右隣の美女”とおしゃべりを楽しむことになる。 「幸せいっぱい」の夜だった。すべては、「シナリオ通り」に進行していた。 トムは、パ−ティ−が終わるまで、一度も目を覚ますことはなかった。 彼が比較的小柄だったことも…

  牧場巡りツア−(16)

私の人生の中で、こんな幸せを感じる機会は二度とないだろう。だから、少々長過ぎる関係者の挨拶も、まったく苦にならなかった。 私の“魂胆”を知らない哀れ? なトムは、私の勧めるままに、シェリ−から白ワイン、赤ワイン、コニャック、そしてウイスキ−と、…

  牧場巡りツア−(15)

すばらしい雰囲気のパ−ティ−会場には、ワインにしてもコニャックにしても、“世界の一流品”がズラリと並んでいる。 スコットランドの民族衣装を着たウエイトレスたちが、手際よく料理を運ぶ。 “けんらん豪華”としか言いようのないディナ−を前に、例によってお…

  牧場巡りツア−(14)

この日は、“昼酒”の代わりに、生ジュ−スを飲んだ。 また、“サラダ”だけでなく、大きな肉片にも食らいついていた。 バス旅行の「解散式」に当たる「ファイナル・ファンクション」は、ワンガラッタよりもメルボルンに近いベナラという街の「ロイヤル・ホテル」…

  牧場巡りツア−(13)

私は、胃袋(アルコ−ル)の強さにかけては、自信がない訳ではない。 だが、トムの挑発に乗せられたら、明日もまた大切な一日を無意味に過ごすことになる。ここは、“我慢のしどころ”だ・・・。 「じゃあ、また明日!」 “明日”に力を入れて発音したつもりだが…

  牧場巡りツア−(12)

「やはり、おれたちオ−ストラリア人の方が、ずっと丈夫な胃袋を持っているんだ! ケンが、お昼に食べたものを見たかい? サラダばかりで、まるで“ラビット”(うさぎ)みたいじゃないか? これを見ても、彼の胃袋がそんなに強くないことは分かるよ。 今度、ま…

  牧場巡りツア−(11)

日中、睡眠不足からボ−ッとしている上に、お酒が入るのだからたまらない。たちまち、眠くなってしまう。 「これでは、何のためにバス・ツア−に参加したのか分からない。5人の“ご一行さま”以外の人たちとも話をしたい。いや、そうしなければ、貴重な時間を無…

  牧場巡りツア−(10)

5人の“ご一行さま”は、まだ目覚める様子はない。彼らもまた、前夜の服装のまま、ホテルの同じ場所でぐっすり寝込んでいる。 起き上がって周囲を見ると、ビ−ルの空き瓶が、足の踏み場もないほど散乱していた。 この夜の行動は、次の晩も、またその次の夜も、…

  牧場巡りツア−(9)

直ちに、オ−ストラリア式の“おごりっこ”(コップ一杯80円足らずのビ−ルを、互いにおごり合う“ならわし”)が始まったのは言うまでもない。 私は、このパブで「ビ−ルを3回注文した」ことまでは覚えている。 つまり、「6人が3回ずつおごり合った」ので、ア…

  牧場巡りツア−(8)

私は、ここで35年間使い慣れた本名を返上して、“ケン”というニックネ−ムを頂戴することになった。 私の名前の発音? が、彼らには難しすぎたようだ。 ワイワイガヤガヤ言いながら、私に“すてきな名前”を付けてくれたのは、メルボルンの新聞「ジ・エイジ」…

  牧場巡りツア−(7)

「彼らは、三度のメシより“ビ−ルが大好き”という連中ばかりなんですよ。しかも、一たび飲み出したら、夜が明けるまで止まらないんです!」 「ヘエ−! 本当ですか?」 メルボルンの北東235キロにあるここワンガラッタは、人口およそ1万6千の比較的小さな…

  牧場巡りツア−(6)

彼は、「自分のカメラは、2台とも日本製だ!」と、誇らしげに? 見せてくれていた。 私のメモには、彼のことを“にぎやかな男”と書いたはずだ。 「あなたも、散歩ですか?」 「いや、いっぱいやろうと思ってパブを探しているんですよ」 「そりゃあちょうどい…

  牧場巡りツア−(5)

辺りの静けさと雰囲気が、「夜鳴きそば」を連想させた? とにかく、寝酒用のウイスキ−を買おうと、パブを探すことにした。 人通りは少ない。街が明るいのが、せめてもの救いだ。明るくなかったら、臆病な私が、夜の街を歩いたりはしないだろう。 「散歩です…

  牧場巡りツア−(4)

実は、“ティ−”や昼食以外にも、訪れる牧場のさきざきで、ビ−ルやワイン、ウイスキ−、そして、おつまみなど“歓迎のごちそう”が待ち受けていた。 私の胃袋は、そのつどほんのわずかしか受けつけなかったが、日本流に言えば、午前と午後に一度ずつ余分に食事を…

  牧場巡りツア−(3)

トラックでガタガタ揺られているうちに、上品? に出来ている私のお尻は、完全に感覚がまひしてしまった。臨時に荷台に設けられた“板の座席”に腰掛けていたからだ。 朝早く出発しておよそ半日間、バスからランド・クル−ザ−、そしてトラックと乗り継ぎ、おま…

  牧場巡りツア−(2)

りんごの白い花や水仙、そして、オ−ストラリアの国花であるゴ−ルデン・ワトルの“黄金の輝き”が、単調な風景にアクセントをつけている。 もう、春は目の前だ。 初めて見るこの国の牧場は、ある種の感動さえ与えてくれる。 どこへ行っても、目に入るのは“やた…

  牧場巡りツア−(1)

「オ−ストラリア語」と「男の服装」で一部紹介したが、改めて牧場巡りのツア−の思い出をつづってみたい。 1971年の8月、私はウ゛ィクトリア州北東部にある牧場地帯への旅に出た。五日間のバス旅行だ。 「丸一日かけても、全体を見るのは不可能だ」と言…

  夜行列車のハプニング(6)

「うっかり目を離したすきに、“ビ−ルの洗礼”を受けてはたまらない。彼女の持っている缶ビ−ルのバランスが崩れそうになったら、何とかしなければ・・・」 しばらくして、彼女の右腕が、椅子のひじ掛けから滑り落ちそうになった。 「オッと、危ない!」。ふだ…