胃袋の違い?(3)

 

 救急車は、私が歩いているところから30メ−トルほど先にあるパブの前に止まった。白衣を着た係官が担架などを抱えて、車の後部から飛び出すのが見える。
 急いでパブの中に入ってみると、カウンタ−の前の床に、ビヤ樽のような大きなお腹をした男が長々と伸びている。それにしても、みごとな皮下脂肪だ・・・。
 傍らのボンベから男の口もとまで、黒い管が続いている。酸素吸入を受けているのだ。「さあ、皆さん、外に出てください。飲みかけの方は早く飲んで!」
 パブのおっさんに追い立てられるようにして、外へ出た。直前まで飲んでいた客の一人に尋ねると、この男は、真っ昼間からブランデ−をガブ飲みしていたとのこと・・・。
 オフィス街のこの辺りではあまり見かけない“カウボ−イ・スタイル”だったので、「お上りさんではないか」と、“フォロ−”してくれた。