胃袋の違い?(5)
受け付けのお嬢さんに案内されて彼の研究室へ行くと、“書物の中”から彼が現れた。
黒いガウンを着ている。思わず目をみはるようにして、頭のてっぺんから足のつま先まで眺める。
ラフなスタイルが売り物の普段の彼からは、とても想像できない“いでたち”だ。
「どうしたの?」。彼は尋ねた。
挨拶もそこそこに、机の上に置いてあるガウンとおそろいの帽子に、私が見入っていたからだ。
「いや、別に・・・。しかし、さすがに本がたくさんあるね!」
私の視線は、今度は、本棚? ばかりではなく、そこかしこにうずたかく積まれている書籍類に注がれていた・・・。