牧場巡りツア−(8)

 

 私は、ここで35年間使い慣れた本名を返上して、“ケン”というニックネ−ムを頂戴することになった。
 私の名前の発音? が、彼らには難しすぎたようだ。
 ワイワイガヤガヤ言いながら、私に“すてきな名前”を付けてくれたのは、メルボルンの新聞「ジ・エイジ」のケウ゛ィン・ボイル記者(ふとっちょケウ゛ィン)と「ウイ−クリ−・タイムズ」のジョン・ブラウン(静かなるジョン)、国営放送局ABCのテレビ・ディレクタ−、ジム・アッシュフォ−ド(ちょびひげジム)、私と一緒にパブにいる仲間を探し歩いたラス・スティ−ル(にぎやかな男)、そして、ご一行の長老格で70歳のトム・ホエイの5人。
「田園通信社」を主宰するトムのことを、みんなは「アンクル・トム」と呼んでいた。