対日本観(5)

 

 彼は、第2次世界大戦中、南方の収容所で日本軍の捕虜としての生活を送るうちに、捕虜の世話をする日本人の兵隊たちが上官からポカポカ殴られるのを見て、いたく同情し、「彼らもまた、自分たちと同様、“捕虜”に過ぎないのだ」という見方をしていたという。
 それ以来、彼は「日本通」になった。
 もちろん、何事もよいことばかりではない。
 特に、この国でも、ご多分にもれず、日本人の経済行動を非難する人々が、増えてきている。これは、あるパブで遭遇したお話・・・。
「何ですって? 能率が落ちるんじゃないかっておっしゃるんですか? 
 そんなことはないですよ。かえって、仕事がうまく行きますよ」。