● 作家の描いた「特殊潜航艇」(27)


(注): A中佐が話した「エピソード」の補足をする。
 この高級住宅街は、わたしがオーストラリアに滞在していた1970年代には、「日本商社の駐在員が多く住んでいるところ」として、知られていた。
 これについて、オーストラリアの人々から、「日本人も、ユダヤ人と同じだ。第二のユダヤ人だ」と、ののしる? 言葉を何度も聞かされた。
「どうして、ユダヤ人と同じ」なのか、わたしには理解できないが、彼らは、「日本人は、ステータスを競って?  、必要以上に高額の家賃を払うので、わたしたちが借りることのできないほど高騰してしまった」と、厳しく非難していたのは事実だ。
「なぜ、あんなに高い家賃が払えるのか」とも詰問されたが、わたしは、ただ、
「わからない」と、答えるだけだった・・・。