● 作家の描いた「特殊潜航艇」(57)

 
「″大君の醜のみ楯といふものはかゝるものぞと進め真前に″(橘曙覧=あけみ)連綿たる防人の伝統精神は現代に立派に生きて先人の垂範に答へたのだ。
 若木の桜は潔く真珠湾頭に散った。
 軍神を生んだ日本の誇り、郷土の誇り、われらの誇り、わが海軍は六日これら勇士の赫奕(かくえき)たる勲功に対して、山本連合艦隊指令長官の感状とともに特に二階級進級の栄を以て酬いたのである。
 あゝ壮烈!  特別攻撃隊
 かくてこそ帝国海の護りは固いのだ。
 帝国海軍万歳 ───、」