「テレビ・ニュ−ス」の続き

 この国のテレビ・ニュ−スは、日本とは大分違う。正確には、日本のテレビだけが、フィルムや数字、文字などをたくさん使うのだそうだ(当時、専門家から聞いた話)。
 最初は、少々戸惑った。だが、繰り返しキャスタ−の顔を見ていると、私たち視聴者との間に、信頼関係のようなものが生まれてくる。
 たとえば、「チャンネル・ナイン(商業放送局の一つ)のピ−タ−・スミスが、また画面に出ている!」と叫んだりして、ただ原稿を読んでいるだけなのに、キャスタ−(アナウンサ−)の話すことがすべて正しいように思えるから不思議だ。
 もっとも、この国のニュ−スは、その背景を解説したり、今後の展開や見通しを述べたりするよりも、その日の出来事を正確に伝えることに重点を置いているようだ。
 この点も、“違和感=もの足りなさ”を感じた理由の一つだろう。