テレビ・ニュ−ス

 どうもこの国のテレビ・ニュ−スは、「見るもの」ではなく「聞くもの」らしい。    ニュ−ス原稿を読むキャスタ−(アナウンサ−)の顔を、ただ延々と映し出すだけなのだ。画面上で、文字や数字にお目にかかるのは珍しい。ごくたまに、フィルムや写真の入ることもあるが、そういうニュ−スは大きな火災や交通事故などに限られるようだ。
 だから、現場からのナマ中継は、一部のスポ−ツ・ネタを除くと、まずない。
 もちろん、「ニュ−ス枠の中で」という制約を取り払えば、いわゆる中継番組はたくさんある。オ−ストラリアン・ル−ルのフットボ−ルやクリケット、ゴルフなどのスポ−ツ番組、そしてボクシングや美人コンテストなどの宇宙中継は、多くの人々をブラウン管の前にくぎづけにする。
 そう言えば、英仏共同開発の超音速旅客機・コンコルドがデモ飛行のため初めてオ−ストラリアに来たときも、「ナマ」ではなく「中継録画」だった。早くからPR作戦を展開し、多くの人々の関心を集めた「ビッグ・イベント」だったのだが・・・。