交通ル−ル(3)

  

「特に、病院や学校の近くでは、クラクションを鳴らしてはならない」と、厳しく禁じられている。これに違反すれば、たちまち罰金を取られるのは言うまでもない。
 私の住んでいる家の近くに、交通量のかなり多い交差点がある(と言っても、朝夕の通勤時間帯だけだが)。一方は電車通り、もう一方にはバスが走っている。
 ところが、買い物に行くときなどに渡るこの交差点には、信号機がないのだ。
 最初のころは、戸惑いもし不安を感じたが、この国には、「歩行者優先」のル−ルがあって、横断しようとしている歩行者を見ると、どの車もすぐに止まってくれることを知った。
 だが、これが車同士となると、果たしてどうなるだろうか? 
「ピ−ク・アワ−には、きっと交差点上で“壮烈な通行合戦”が展開されるに違いない」
 そういう期待を込めて? 混雑する時間を見計らい、問題の交差点に出かけてみた。
 すると、どうだろう。不思議なことに、車は実に整然と流れているのだ・・・。
 
 (注) 思い出したこと
 ある作家が、「クラクションを鳴らす余裕があるなら、まずブレ−キを踏むべきだ。クラクションを鳴らすのは、歩行者を威圧したいからだ」と書かれたのを、鮮明に覚えている。