交通ル−ル(2)

  

 私には、少し厳しすぎるように思えた。「決定を下す」のが早すぎたからだ。
 オ−ストラリア人の運転する車だったから? そうではない。私の知人をはねたのは、この国の人間ではなかった。「ル−ルは、あくまでもルール」。国籍など、一切関係ない。
 ところで、オ−ストラリアに来て不思議に思ったのは、どこへ行っても緑が豊かなことと、恐ろしくなるほどきらめく頭上の星、そして空気のおいしさ。さらに、「車のクラクションがめったに聞かれない」こと・・・。
 シドニ−の“新しさ”に比べて、メルボルンを首都とするウ゛ィクトリア州は、何事にも“保守的”だと言われている。だが、交通対策に関しては、この州は非常に“進歩的”で熱心だ。事実、どの州よりも早く「シ−ト・ベルトの義務づけ」を決めている。
「不思議に思えた」クラクションの話に戻る。ウ゛ィクトリア州の道路交通法では、車のクラクションは“緊急やむをえない場合のみ”しか鳴らしてはいけないことになってるのだ。