休暇の取り方(1)

 

 毎年12月も10日近くになると、私の勤め先のボスは、オフィス内を“一回り”するのが慣例になっている。
 クリスマスまでには大分間があるのだが、彼はスタッフのみんなに、「良いクリスマスを!」と挨拶して歩く。
 この挨拶を終えたあと、決まって年末に3週間の休暇を取るのだ。
 年が改まると、今度はボスの下の次長が、やはり3週間の休暇に入る。
「上司の二人が休暇を取る6週間が、実は私にとって一番いい時なんだ」と、親友である部長のジョンは、ニコニコしながら言ったものだ。
 ボスが長期休暇や出張などでオフィスを留守にすると、その代行は次長が務める。これは、日本でも同じだろう。だが、少し違うところがある・・・。