「けじめのつけ方」の続き

 

 彼女は、この用紙に私の住所と氏名を書き込み、次にはレシ−トの数字=たぶん、売り場を示す番号や日付けなど=を転記して、最後に私にサインを求めて、2ドル25セントの現金を返してくれた。つまり、いったんは「返品扱い」にするわけだ。
 女性店員は、私にお金を渡すと、スタスタと元の売り場へ戻って行った。
 私は、返金分に差額の40セントをプラスして、改めて大型のマットを購入した。
 一度はきちんと清算して客に現金を返し、そのあとで再び「新たな客」として買ってもらう仕組みのようだ。物事のけじめをはっきりさせる“合理性”とでもいうのだろうか。
 このほか、電車などの乗り物でも、喫煙してもいい「スモ−キング・カ−」と、許されない「ノ−・スモ−キング・カ−」に、はっきりと分かれている。
 どんな小さな道にも名前がついているので、地図を見れば迷わずに目的地に行ける。ヨ−ロッパに多い方式だが、これを素直に取り入れているのも合理性の一つと言えるだろう。