「オ−ストラリア人気質の詳細」(5)
直接口にするものを古新聞に包むことには、いささか抵抗感がある。だが、彼らは「新聞紙には保温効果があり、いつまでもホカホカと温かく、おいしく食べられる」と言う。
合理的? 過ぎて困る場合もある。その一例が、レコードのジャケットだ。私は、それほど英語が得意ではないので、歌詞の文字を確かめたくなることがある。
ところが、歌詞を刷り込んだジャケットなど、めったにお目にかかることはない。
そればかりか、傷のつくのを防ぐ薄い紙の中に入っているレコードも、ほとんどない。
だから、日本のいわゆるデラックス版のレコード・ジャケットを見せると、大抵のオ−ストラリア人はびっくりする。
そして、必ずと言っていいほど、こう付け加える。「日本では、レコードは聴くものだけではなく、見るものでもあるんだね」
レコード本来の“聴くもの”だったら、豪華なジャケットは必要ないし、無駄でもある。
だから、その分もレコ−ド代金に含まれることなど、とても納得できないというわけだ。