牧場巡りツア−(6)

 

 彼は、「自分のカメラは、2台とも日本製だ!」と、誇らしげに? 見せてくれていた。 私のメモには、彼のことを“にぎやかな男”と書いたはずだ。
「あなたも、散歩ですか?」
「いや、いっぱいやろうと思ってパブを探しているんですよ」
「そりゃあちょうどいい。私も、パブに用事があって・・・」
「実は、どこかのパブで、仲間が待っているんですよ。一足先に出たんですがね・・・」
「仲間って、今日一緒に来た人たちのこと?」
「そうなんですよ。夕食のとき、4人ほどいなかったのに気づきませんでしたか?」
 そういえば、“にぎやかな男”の言う通りかもしれない。ホテルのレストランで“ハシ”をつけただけの夕食を済ませたとき、そこにいたのは、ツア−参加者の人数よりもいくらか少ない感じがしていた・・・。