牧場巡りツア−(10)
5人の“ご一行さま”は、まだ目覚める様子はない。彼らもまた、前夜の服装のまま、ホテルの同じ場所でぐっすり寝込んでいる。
起き上がって周囲を見ると、ビ−ルの空き瓶が、足の踏み場もないほど散乱していた。
この夜の行動は、次の晩も、またその次の夜も、まるでビデオ・テ−プを見るように、きちんと? 再現された。
もっとも、二晩目から自分のベッドまで、なんとかたどりついてはいたが・・・。
私は、もともと一人で静かに飲むのが好きだ。
だから、三日間も彼らのぺ−スに合わせて、盛大に飲み、おしゃべりし、議論したことは、私にすれば“大奮闘”だった。
バス・ツア−の最後の夜、私は9時になるのを待って、「ホテルに帰る」と言い出した。