二日酔いに効く薬(3)

 

「あくまでも“アルコ−ルに似た飲み薬”で、ケンの考えているものとは違うんだ!  とにかく、アレを飲めば、どんな二日酔いでもピタリと治るんだよな、トム! ニ−ナの料理が、特別おいしくなるよ・・・」
 結局、彼らに勧められて、その“薬局”へ行くことにした。
 幸い、弁護士と私の家族たちは、トム一家とともに裏庭で、うさぎや犬、オ−ムなどを相手に遊んでいる。男ども3人は、そっと静かに、その場から“脱出”に成功した。
 酔って家に帰ると、「犬小屋」に寝かされるというトムも、私たちと一緒なので、この日ばかりはその心配はないのだろう。
「二日酔いの薬を売っている」はずの“薬局”には、なぜか「パブ」の看板が掲げられていた。何のことはない。二人は、最初から、私をパブへひっぱり出すつもりだったのだ・・・。