アボリジニ−(6)

 

 原住民が求めているのは、福祉政策の充実のほか、白人から“タダ同然”で取り上げられた自分たちの土地所有権の確認と各州に残る差別的な法律の廃止などだ。
 中でも、原住民が強く要求しているのは「土地所有権」に関するもので、これについては、政府も“認める方向”で特別委員会を設け、具体的な方策を検討している。
 だが、こうした労働党政府の努力にもかかわらず、原住民の不満は一向に解消しそうにない。
 彼らと白人社会との価値観の違いはきわめて大きく、簡単に解決するとはとても考えられないからだ。
 オーストラリア原住民で、初めて政府高官に登用された前述のチャールズ・パーキンス氏は、14万原住民から、“使途”として慕われているのだが・・・。