アボリジニ−(7)

 

 1974年1月中旬、原住民が多く住んでいるオーストラリアの北部特別地域を訪れたパターソン北部開発担当大臣は、
「この地域に住む人たちは、政府の補助金で酒ばかり飲んでいる。一部の扇動者から、『白人のために働く必要はない』とそそのかされ、怠けている」と、原住民を非難した。
 さらに、四か月前に原住民担当大臣に就任したばかりのカバナ氏も、これに“同調するような発言”をしたからたまらない。
 カバナ氏の部下に当たる原住民出身のパーキンス原住民担当省次官補は、パターソンとカバナの両大臣を、
「ものを知らない田舎者」「白人の人種差別主義者に影響されている」とののしり、次のように反論した。