アボリジニ−(14)

 

 サンツ師ら伝道団の人々は、
「教育を通じて、この地域に住む原住民を“白人社会に溶け込めるよう”、言いかえれば、“白人とともに働き、ともに生活できるよう”に育て上げること」が願いだという。
 サンツ師は、カランバラに根づいているコミュニティーのパタンを、
「オーストラリアのほかの地域のそれらと、可能な限り一致すべきものにしたい」と考えている。
 話は、1973年9月に起きた出来事に変わる。
 白人家庭で「養子同様」に育てられていた7歳の原住民の少女が、生みの親が決めた中年の男性と結婚するため、“略奪的に”連れ去られるという事件があった・・・。