ある講演から(28)

 

 そんなとき、家に帰ってテレビを見ようと、スイッチを入れました。
 ところが、「ザーッ」という音がするだけで、画面はチラチラ。4つあるチャンネルを次々に回しても、番組は一切出てきません。
 節電に協力するため、どのテレビ局も「放送を中止して」いたのです。
 テレビは、大変電気を使いますから(注:真空管式のテレビだった)、大本である「テレビ局の電波を止めてしまえば、電力の消費量は大幅に減少する」のは確かで、よく理解できます。
 でも、仮に日本で同じようなことが起こったら、つまり「放送局の電波がすべてストップ」したら、いったいどんな騒動? が起こるでしょうか。
 ちなみに、オーストラリアでは、文句を言う人などいなかったようです。