ある講演から(34)

 

 日本人には信じられないかもしれませんが、オーストラリアで「ガスライター」を持っている人は、ほとんど見かけませんでした。
 脇の下に抱えた大きなマッチ箱から一本取り出し、サーッと擦ってたばこに火をつけるのが普通でした。
 日本の喫茶店やホテルなどでは、店の名前の入ったマッチを無料でくれますが、向こうでは、そんなことは一切ありませんでした。
「資源の豊かな国」なのに、「むだづかい」はしていないのです。
 一方、資源に恵まれていないはずなのに、私たちは逆の生活をしています。
 何だか、「おかしい」。「便利さ」を求め過ぎているようにも思われます。
 これも驚いたことの一つですが、日本製のポンコツ車が、今でも堂々と街を走っています。それも、日本だったら「見向きもされないような古い型の車が」です。