ある講演から(36)

 

「資源大国」のはずのオーストラリアが、ここまで徹底して節電している、言い換えれば「むだづかい」しないように努めているのです。
 帰国して間もないころ、「オイル・ショック」に見舞われて日本中が大騒ぎになったことがありますが、私は、「原油価格が上昇したところで、私たちの生活にあまり影響はない」と信じていました。
 結論から言いますと、電気やガス、水道などを「お金さえ払えば、いくら使ってもいい」という日本人の考え方や習慣を改めれば対応できると考えたからです。
 オーストラリアのように、「節約を心がけ、ものを大切にすれば乗り切れる」。
 「少しでもむだを省いて節約しようじゃないか」という意識を国民の一人一人が持てば、「オイル・ショックなど、問題ない」と思っていました。