ある講演から(38)

 

 この事故で、乗客と乗員86人が犠牲になったのですが、この中にメルボルンに住むオーストラリア人が17人含まれていました。
「やじ馬根性」から、早速日航メルボルン支店に行ってみました。
「日本人的発想」からでしょう。日航の駐在員は、「遭難者の遺族を現地に招こう」としたのですが、驚いたことに、この呼びかけに応じたのは、17人の犠牲者の中でたった一家族だけでした。それも「遺体確認のために必要なら」ということだったそうです。
 日本人の私には、何だか納得できませんでした。
 そこで、親友の弁護士の家を訪れ、
「遺族の態度が冷た過ぎるのではないか、理解できない」と話しました。