ある講演から(49)

 

 オーストラリアの国民性や生活などについて、私の体験したことを、そのままお話しした次第です。 
 赤道を挟んで南のオーストラリアと北半球にある日本とは、万事にあべこべの国であることが、少しはおわかりいただけたと思います。
 季節が逆であること。過疎の国と過密の国。資源輸出国と輸入国・・・。
 しかし、私が今日お話ししたことの多くは、実は、ついこの間まで、ごく当たり前に日本、いや日本の都会にも存在していたのです。
 他人に対する思いやりと助け合い、物を大切にする心、青い空、美しい風景と自然、清い流れ・・・。
 そして、「例え、他人の子どもであっても、地域のみんなが協力して、立派な大人に育て上げよう」という、そんな社会があったのです。