「1970年代初期のオーストラリア」

 

 わたしがオーストラリアに滞在していたころは、「アメリカが風邪を引くと、日本がくしゃみをし、オーストラリアが熱を出す?」という時代だった。
 日本にとって最大の貿易相手国は、「アメリカ」。それに次ぐのが、イギリスのEC加盟で、本国? と疎遠になりつつあった「オーストラリア」だった。
 日本とオーストラリアの関係は、経済的には非常に密接だった。
 だが、これまでにも述べたように、主に「日本の勝手な事情(理由)」によって、牛肉や砂糖の問題が起き、実体は「緊密な関係」とは言えなかったように思う。
 しばらく続いたそんな時代を背景に、「ある銀行のPR誌」に寄せた「記事」を、これから紹介させていただく。