「山本康久氏の証言」から(43)


 伊24の竣工時からの乗員は、すでに半数ぐらいが交代していた。
 その生存者の中で、わたしは、「伊24を最後に降りた者」となった。
 高等科の学生は、6カ月の教育を受けるのだが、わたしは、2カ月遅れで入学したため、4カ月で卒業した。
 直ちに、ロ114号潜水艦の先任将校となり、およそ一年間務める。
(その後、海軍省は、「学生の発令は、早くしなければ」ということになり、一カ月ぐらいの余裕を持って発令するようになる)。
 ちょうど、ロ114号潜水艦が瀬戸内海に入ったとき、「甲種学生(潜水艦の艦長になるための教育)」の発令があったが、このときは、後任者は直ちに着任した。
 そのため、一カ月間は、先任将校が二人在籍する「ダブル配置」となった・・・。