「山本康久氏の証言」から(42)


ラバウルでの戦闘中」に、わたしは、「高等科学生(先任将校になるための教育)」の発令を受けた。
 だが、いつまで待っても、後任者は来ない。
 そこで、艦長に、「遅れて学校に入るのはどうかと思うので、次の機会に延ばしてくれるように」と、申し入れた。
 すると、艦長は、「もう一度、ニューギニアに行き、それでも後任が到着しない場合は、考えよう」と答えてくれた。
「次期に延期されること」を期待しながら、ニューギニアへの輸送を終えて帰還すると、ラバウルの波止場に、一期後輩に当たる中村大尉が待ち受けていた。
 不満を抱きながらも、中村大尉と交代して退艦した直後、伊24は、次の出撃で沈んだ・・・。