「山本康久氏の証言」から(68)


 仮に、遠く離れた艦が、状況の変化をいちいち報告して指示を仰いでいたら、戦機を失って、大部隊を動かすことはできなくなる。
「艦長は指令」の、「指令は司令官」の、そして「司令官は長官」の命がなくても、自ら判断して行った結果が、ちょうど「命令を受けて行動した」と等しく、つまり、上長の意図に合っていなければならない。
 これが、「最高の統率」だ。
(注:06年12月30日のテレビで、「東洋の魔女」を率いた大松博文監督【1964年の東京オリンピックで、全日本女子バレーボールチームを「回転レシーブ」に象徴される守備を重視した戦法を執り、金メダルに導いた。『おれについてこい!』『なせば成る』などの名文句で知られる】は、「自らやってみせたから、選手がついてきた」という逸話を放送していた。これは、英国=海軍流?)。