「山本康久氏の証言」から(70)


 六、責任と権限


 責任を持たせるなら、同時に一部の(?)「権限」も与えなければならない。
 もし、責任だけを持たせて、それに応ずる権限を与えないとすれば、「こんな非民主的なことはない」と、わたしは思う。
 しかし、現実には、こういう民間会社は、案外多いのではないだろうか。
 これが、統率を乱し、不平や不満の根源となっている。 
 軍隊では、上役の者が下位の者(部下?)に何かを指示して、仮にその結果が悪かった場合は、指示した上役の者が全責任を負わなければならない。
 その部下には、「指示通りに遂行できたかどうか」問われることはあっても、その結果に関しては、一切「責任」はない。