「山本康久氏の証言」から(71)


 海軍では、たとえ上位の者でも、ライン以外の者は、一切口を出すことはできない。
 口出ししたとしても、それは、あくまでも「アドバイス」であって、「命令権」はない。
 一方、ラインの上役が言った場合には、その責任は、「上役自身」が取らなければならない。
 つまり、「権限のないところに、責任は存在しない」ということだ。
 民間会社の社員たちの不平の多くは、「口を出す上位の者はたくさんいるのに、責任を取る者がいない」からだ。
 これが、「不平・不満の元」となり、命令の不徹底や統制を乱す大きな原因となっている。
 「上官の命令は絶対である」というからには、その上官が「全責任を追及される」のは当然だと考える。
 企業の責任者になっておられる皆様に、「わたしの経験が、少しでもご参考になれば」と思い、お話し申し上げた・・・。