● 作家の描いた「特殊潜航艇」(6)


「『その情報の信憑度をね』
『そうです。こういう情報はこの国には多いのです』
『いくらというのですか、金は?』
『五百ドルというのです』
『・・・・・・・・・・』
 私は、心のなかで、その信憑度を確かめ、確実にそうであれば、帰国後六十八期のクラス会に相談して、伴艇の位置を確かめたいものだと考えた。
 もし、伴艇がそのリーフの上に横たわっているのに、三十年も放っておくのでは、伴も淋しかろうと考えたのである。
 田中君と私は、そのあと、江田島の話などをして別れた。」