● 作家の描いた「特殊潜航艇」(35)

「『あの攻撃をどう思うか』
『いや、勇敢なもんだよ。
 だが、 何しろ、肝っ玉がつぶれたよ』
 彼はそう語った後、
『おれはその後八月九日に、ガダルカナルでまた泳いだ。
 キャンベラは日本海軍と激戦の末、沈められたんだ。
 そのときはこの二人も一緒に泳いだがね。
 しかし、キャンベラは名誉の艦さ。
 毎年おれたちは八月九日に首都キャンベラ市の広場に集まって、慰霊祭を行い大通りを行進するんだ』」