● 作家の描いた「特殊潜航艇」(41)

「私はアンザック・パークの向うに、国会議事堂を眺めた後、館の西側に向った。
 特潜は館から十メートル以上はなれたところに、館の本館と並行して、頭部を南西に向けて展示してあった。
 黒いペンキで真っ黒に塗ってあり、高原の陽光を浴びて輝いているように見えた。
 特潜は引き揚げられたままの色ではなく、新しくお化粧されていた。
 私は特潜のそばに近づいてみた。」