● 作家の描いた「特殊潜航艇」(84)

 上前淳一郎さんの「太平洋の生還者」と佐々木半九さん・今和泉喜次郎さん共著の「決戦特殊潜航艇」、そして、豊田穣さんの書かれた「月明の湾口」である。
 豊田穣さんの本の「シドニーの岸壁」の項を読んでいるとき、
シドニー攻撃に参加した中馬兼四、松尾敬宇両大尉は、私の二期先輩である。
 同期生で親友の伴勝久中尉の最期の地であり、前から慰霊の旅を実行したいと考えていた。」という一節に出合った・・・。
 これをきっかけに、豊田さんの本の中身の一部を紹介させていただいた。
 特に、「稿を終るに当たって、・・・」で書かれた豊田穣さんの言葉は、今の時代を生きるわたしたちに、「戦争の愚かさ」と「人の命の尊さ」を、心の底から強く訴えるものだと信じている。