●「続・知らざる日豪関係」(5)

 オーストラリアと日本との歴史が始まったのは、江戸時代だ。
「幕末に、オーストラリアの捕鯨船が日本にやってきた(1831年、レディ・ロウエナ号が北海道東岸の浜中町に来航し、また、1850年には、イーモント号が北海道東岸の厚岸町近くで難破した)」という記録がある。
 日本が開国すると、オーストラリア人も訪れるようになリ、まず、オーストラリアで働いていたイギリス生まれのジャーナリストのJ・R・ブラックが横浜で英字新聞「ジャパン・ヘラルド」の編集を、1873年には、オーストラリア人宣教師のウィルトン・ハックが長崎に教会を作った。
 さらに、1888年、ジェームス・マードックが来日して、第一高等学校で夏目漱石らに教え、1917年に帰国した後は、シドニー大学で初めて日本学の講座を開いている。