●「続・知らざる日豪関係」(10)

 日本軍がシンガポールを攻撃し、山下司令官(注:山下泰文・フィリピン派遣軍総司令官)が、「イエス・オア・ノー」とイギリス軍に降伏を迫った戦いやガダルカナルを巡るアメリカ軍との戦闘などに、オーストラリアは、軍隊を派遣している。
 このとき、日本軍の捕虜になったオーストラリア兵は、虐待を受けたり重労働をさせられたりし、また、映画「戦場に架ける橋」の舞台となった「クワイ川鉄橋」の建設には、オーストラリア軍の捕虜が、「多数、かり出された」という。
 一方、オーストラリア本土では、1942年、北部のダーウィンやブルームが日本軍の空爆で壊滅状態に陥り、シドニー湾には、(前述のように)日本の「特潜」が侵攻している。