この「日本人捕虜の大脱走事件」について触れる前に、「オーストラリアで、真珠の採取に従事した日本人潜水夫」のことを紹介する。
南洋真珠養殖である真珠貝(シロチョウガイ)の採取事業が始まったのは、およそ150年前だった。
記録によると、この事業は、オーストラリア北東部の 木曜島などで、1860年ごろから、わずか数隻の船で始められたという。
1870年代には、新たな真珠貝漁場が発見されて、採取業は飛躍的に発展し、1880年ごろには、100隻近い船団となった。
それ以来、貝ボタンや手工芸品、装飾品の材料として、貝殻の採取事業は、ますます拡大する・・・。