●「続・知らざる日豪関係」(75)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「ベル中尉は、飛行服の男は零戦の搭乗員に間違いないとみているが、男の方(注:南忠男?)は海に突っ込んだ爆撃機の機銃手であると主張している。
 しかしベル中尉はこれに対し、「着ている服には、そのような(海に突っ込んだような)形跡はまったく見られない」、と男の主張を否定している。
 それからこれは、あとになって戦争体験者から聞いたのだが、捕虜名簿で「SERGEANT(サージャント)の階級、つまり下士官になっている男が、爆撃機の機銃手ということはあり得ないという。
 もちろんこれも、南忠男が階級を偽称していなければ、という条件付きの話だが。」